2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12620083
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今里 滋 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (30168512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今里 佳奈子 熊本県立大学, 総合管理部, 助教授 (40234330)
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Keywords | 行政改革 / ニュー・パブリック・マネジメント / 地方自治体 / NPM |
Research Abstract |
本年度は、平成12年度のアメリカ調査、平成13年度の英国調査に引き続き、日本におけるNPM型自治体改革に焦点を当てて、研究に努めた。研究アプローチとしては、文献資料の収集・渉猟による探査はもちろんのこと、研究分担者自らが自治体改革の現場に参入し、改革の実践を経験するという手法を取った。その一部として愛知県瀬戸市の「行政経営委員会」がある。瀬戸市役所では、平成12年度「事務事業評価システム」を試行的に導入したが、その成果が十分に得られなかったため、平成13年度以降は平成15年度より策定が予定されている第5次総合計画策定(平成18年度実施)に向けての抜本的な経営改革に乗り出すこととなった。そのリーディング・コンセプトをNPM(ニュー・パブリック・マネジメント)論とし、それに基づく行政システム改革を展開することとなった。「行政評価」「公会計改革」「NPOとの協働」等を媒介としながら、職員の意識改革や組織文化の変容、意思決定プロセスの改革を目指したわけである。研究分担者の一人である今里 滋は、このうち、市民公益事業促進部会(以前は、「パブリック・インボルブメント部会」)の部会長を務め、主として「NPOとの協働」を担当した。この改革は、まだ道半ばではあるものの、日本型NPM改革の代表例といってもいい。本年度の研究では、瀬戸市の改革を主軸にしながら、わが国におけるNPM型自治体改革の現状を分析している。瀬戸市のほか、福岡市の「DNA改革」、名古屋市の経営改革、藤沢市のマネジメント・システム改革を含んでいる。
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[Publications] 今里 滋: "分権化と組織内改革"都市問題. 93/4. 15-28 (2002)
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[Publications] 今里 滋: "分権時代の組織改革への視点"地域政策. No.7. 8-13 (2002)
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[Publications] 今里佳奈子: "分権型福祉社会における自治体の合併・連携-福祉ガヴァナンスの諸相"武智秀之編『福祉国家の行方 第3巻』ミネルヴァ書房. (印刷中). (2003)
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[Publications] 今里佳奈子: "地域計画と政策決定"中川義郎編『21世紀の地方自治体を考える』法律文化社. (印刷中). (2003)