2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12620087
|
Research Institution | Kushiro Public University of Economics |
Principal Investigator |
小磯 修二 釧路公立大学, 地域経済研究センター, 教授 (40322333)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 幹根 釧路公立大学, 経済学部, 助教授 (30295373)
|
Keywords | 政府間関係 / 総合調整 / 国土政策 / 開発計画 / 地方自治 / 北海道開発 / 東北開発 / 沖縄振興開発 |
Research Abstract |
本年度は研究実施計画どおり、北海道、沖縄、東北における国土開発政策の立案・決定・実施の過程を、文献や1次資料の収集・検討といった実証面からの分析を行うとともに、政策過程に携わった研究者からのヒヤリングを並行して行った。こうした作業からは第一に、特定地域を開発するために設置されている中央省庁の行政機関が、地方自治体の側から見ると、必ずしも十分な調整機能を果たし得ていないことが明らかになった。具体的には、開発計画法制に基づく開発計画とその実効性、開発政策を進める際の省庁間調整、そして各地域の開発法制が有する独自性が十分に活かされていない点を指摘することができる。こうした、特定地域開発を目的とした行政組織の調整機能の限界は、中長期的に見ると年々強まっていると見ることができる。 第二に、自治体が新たな国土開発政策を模索する動向が顕在化している。具体的には、88年から開始された開発庁の第5期計画と北海道の新長期計画は、基本的な経済フレームや広域行政の区分を共有しているものの、前期計画から顕在していた両者の独自性強化の指向はますます強まった。沖縄県においても、国による沖縄振興開発計画決定過程に起因する限界を、県による独自の自治体計画策定や経済特別区構想などを通じて打開を図ろうとしている。しかし、こうした動向は必ずしも自治体の中央政府に対する自律性の強化を意味するものではない。国土開発政策における政府間関係の動向は、多様な側面を内包しつつ変容を遂げている。
|