2003 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカにおける政党変容のメカニズム:近年の共和党を中心に
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12620090
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保 文明 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (00126046)
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Keywords | アメリカ / 共和党 / 政党 / 政党変容 / 保守派 / 政治運動 / 利益団体 / 社会運動 |
Research Abstract |
近年の共和党は、中道穏健派が著しく退潮し、保守脈が圧倒的な主導権を握る保守的な政党に変化した。この要因として南部の変化、レーガン主義の浸透などさまざまな点を指摘できるが、とくに注目すべきは、1970年頃から今日にいたるまでの変化が、いわゆる決定的選挙なしで起きていることである。すなわち、近年の変化は二大政党間の劇的な勢力関係の変化を伴わず、しかもきわめて緩やかな変化となっている。これまでに例のない政党変容を理解するためには、これまでとは異なる概念装置が必要不可欠であろう。 本研究では、社会運動・政治運動による政党への浸透、ならびに政党を支援する利益団体連合の形成・変化という二つの視点を重視して研究を行った。これまで公民権運動など社会運動の政党への浸透についてはかなりの研究が蓄積されてきたが、クリンチャン・コアリションに代表されるキリスト教保守派と共和党の関係ハ、社会運動よりは基盤の狭い政治運動の政党への浸透として理解できることを示した。 また、とりわけ重要な点は、1990年代の半ばから、反増税団体、銃所持団体、中小企業団体、キリスト教保守派団体、反環境保護政策団体、文化的保守派団体などがいわば大同団結し、共和党を、とりわけその保守派を支援し始めた。これば同時に、保守系のシンクタンク、財団などの501(c)(3)団体、Americans for Tax Reformなどさまざまの保守系501(c)(4)団体、そして政治資金団体である保守系政治活動委員会(PAC)が非公式な形ながら機能的に相当程度統合されたことも意味していた。今日では党内穏健派現職議員を落選させようとするPACも登場している。このような党外部の政治団体の浸透・連合が果たす役割を解明できたことが本研究プロジェクトの大きな成果である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 久保 文明: "2004年大統領選挙の展望-民主党穏健派の苦悩"国際問題. 8-15 (2004)
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[Publications] 久保 文明 他: "米国民主党の再建戦略"財団法人 日本国際問題研究所. 96 (2004)
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[Publications] 古谷 旬, 久保 文明 他: "グローバル化時代におけるアメリカニゼーションとナショナリズムの国際的比較研究"北海道大学大学院法学研究科 古谷旬研究室. 331 (2003)
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[Publications] 五十嵐 武士, 久保 文明 他: "アジア太平洋の政治と外交"彩流社(仮題)(刊行予定). (2004)
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[Publications] 五十嵐武士, 油井大三郎, 久保文明他: "アメリカ研究入門 第3版"東京大学出版会. 295 (2003)
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[Publications] 久保 文明 他: "G.W.ブッシュ政権とアメリカの保守勢力-共和党の分析"財団法人 日本国際問題研究所. 320 (2003)