2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12620091
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
西村 めぐみ 立命館大学, 法学部, 教授 (50287562)
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Keywords | 南コーカサス / 先進国の民主化支援 / 民族紛争後の再建 |
Research Abstract |
本研究の目的は2点であった。第一に、グルジア、アルメニア、アゼルバイジャンからなる南コーカサスの政治変動を実証的に分析することであった。第二に、従来の国際政治理論が、南コーカサスの民主化過程について説明しきれなかった点を示し、同時に、比較政治理論を用いることにより分析の枠組みとして、民主化過程をより明らかにすることができることを示すことであった。 本研究では、特に、従来の国際理論研究や国際支援活動についての研究で指摘されなかった以下の点を詳しく言及した。第一に、従来の研究では、国際社会の民主化支援について、国際社会が一致した政策を採っているかのような分析が行われていた。しかし実際の支援過程では、国際社会の政策相互のもしくは国際社会を構成する国家同士の間でさまざまな矛盾が見られた。その結果、国際社会が、南コーカサスの政治過程に与える影響は、限られたものとなっている。 さらに従来の研究は、国際社会からの民主化支援の国内への実施状況という点に十分な関心が払われていなかったように思われる。国際社会から行われたさまざまな支援活動が行われているが、現地では、腐敗や専門性の欠如のため、その実施がゆがめられているのが実情である。 以上のように本研究は、最終的には、入手できる資料の制約もあり、国際社会が南コーカサスの民主化過程に与える影響について、より多くの観点をさくこととなった。 平成15年度は、本研究を終了する年であった。本年は、6月にブダペストで、東欧で出版された資料の収集にあたった。また本研究をまとめて、著作として出版するために原稿をほぼ書き終えた。今後、12月以降のグルジアでの政変の部分を加えて、さらに修正をし、来年度以降の研究成果公開促進費の申請に応募し、できるだけ近いうちに学術図書として出版したいと考えている。
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