2002 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀における日本―朝鮮の相互イメージとその外交的帰結
Project/Area Number |
12620096
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
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Keywords | 米軍占領期間 / 在日朝鮮人 / 日米関係 / 1994年米朝合意 / 韓朝関係 / 米朝関係 |
Research Abstract |
今年度の研究は第3段階、即ち1945年から現在にかけての朝鮮人と日本人が共有するに至った朝鮮人のイメージを調査分析した。主に以下の二つのテーマを研究した。1)米軍占領期間の日本とアメリカの在日朝鮮人のイメージとそのイメージがこの占領の目的に与えた影響。2)1990年代の米朝合意と日本。1に関してはアメリカの占領目的は日本に民主主義を「紹介する」ことと記録されているが、明らかにこの「民主主義」に参加する人物は在日日本人のみであった。アメリカは在日外国人を引き上げて日本列島に昔の統一民族の状態を復活させる計画を作成した。しかし1945年の時点では日本社会を「日本」と「外国」とに単純に分けることは非現実的であり、特に朝鮮人の場合、帰国する意志があっても政治的、社会的問題があったので、最終的にアメリカの引き上げプログラムは失敗した。結局この問題を解決しないまま占領期は1952年に終了した。在日朝鮮人の大多数が1965年の日韓条約まで法的に不明な立場で日本に滞在し続けた。 第二のテーマ、1990年代の北東アジア各国とアメリカの外交は朝鮮核兵器疑惑とそれへの対応に終始した。1994年の米朝合意によって朝鮮の核兵器プログラムの一部は凍結されたが、交渉に参加出来なかったにもかかわらず日本と韓国は経費責任の殆どを負担することになった。アメリカ国会のこの合意に対する反対意見は、占領期のように、民衆的で地域的な問題として「朝鮮人問題」をとらえるのではなく、グローバルな「ローグー州問題」に変更された傾向が見られた。 今年度、以上の二つのテーマに関して論文の形で報告をする予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mark E.Caprio: "U.S.-DPRK Diplomatic Relations under the Clinton Administration : Cycles of Conflict and Resolution"American Asian Review. XXI(1). 101-130 (2003)
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[Publications] Mark E.Caprio: "Expansion and Comprehensive Security : Japanese and English Annexations of Contiguous Territories"Journal of Pacific Asia. 9. (2003)