2000 Fiscal Year Annual Research Report
メカニズム・デザインの基礎理論とその応用モデルの多様化
Project/Area Number |
12630002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀 元 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90004209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 次郎 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (10302069)
三宅 充展 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00190752)
鴨池 治 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60004199)
芹澤 成弘 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (90252717)
林山 泰久 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (20260531)
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Keywords | メカニズム・デザイン / 分割不可能財 / 環境問題 / 地球温暖化 |
Research Abstract |
本研究は,メカニズム・デザインの理論を発展させ、経済学のいろいろな各分野のモデルに応用することを目的としている。平成12年度は、研究計画調書で説明したプロジェクトI)とプロジェクトIV)で以下のような研究を行った。 プロジェクトI) メカニズム・デザインの基礎理論の発展 消費の外部性が存在する状況において、つまりある消費者の選好が他の消費者の厚生状態に依存する状況において、分割不可能財の配分を研究した。その配分メカニズムとして完全競争市場に着目し、その均衡の存在を証明した。また、一般的な社会厚生状態を測定するのに有用である準線形効用関数を研究し、通常の効用関数の極限として近似できることを示した。 プロジェクトIV)環境経済学モデルへのメカニズム・デザインの応用 京都議定書の調印後、多くの国が、他国の安価な二酸化炭素削減プロジェクトを補助することによって、自国の二酸化炭素削減義務をはたすことを計画している。しかし、そのような安価な二酸化炭素削減プロジェクトは数が限られており、すぐに消失してしまうのではないかという懸念がある。このような議論は、"Low Hanging Fruits Arguments"と呼ばれている。この議論の背景を検討し、その議論が成立しえる条件と成立しえない条件を理論的に分析した。 また、本研究が行っている定期研究会にカナダからYves Sprumont氏とWalter Bossert氏を招き、メカニズム・デザインの最近の研究動向について説明してもらい、本研究を発展させる参考にした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Miyake,Mitunobu: "Equilibrium in Indivisible Goods Markets with Interdependent Preferences"Tohoku University, Faculty of Economics, Discussion Paper. 149. (2000)
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[Publications] Miyake,Mitunobu: "Asymptotically Quasi-linear Utility Function,"Tohoku University, Faculty of Economics, Discussion Paper. 154. (2000)
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[Publications] Akita,Jiro : "Current Account in a Small Country Dynamic Open Economy with HARA Intertemporal Expected Utility : An Analitical Approximate Solution"Tohoku University, Faculty of Economics, Discussion Paper. 153. (2000)
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[Publications] Akita,Jiro: ""Precautionary saving, Fiscal and Monetary Policy and Current Account Imbalance"研究年報「経済学」. 210・62・1. 29-44 (2000)
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[Publications] Akita,Jiro: "A Simple Model of CDM Low Hanging Fruits"Working Paper, CREST (Core Research for Evolutional Science and Technology), Japan Science and Technology Corporation. 51. (2000)
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[Publications] Akita,Jiro: "On the Geometry of a Theorem on Ranking Positive Definite Matrices"研究年報「経済学」. 200・96・2. 195-199 (2000)
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[Publications] 秋田次郎: "「低環境負荷型の循環型経済社会と資源のリサイクルについて」、佐和隆光 編『環境新時代への挑戦』、第I部、第3章"第一書林. 67-79 (2000)
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[Publications] 秋田次郎: "「環境の経済分析:温暖化対策の経済影響」(佐和隆光氏との共著)、西村和雄 編『複雑系経済学とその周辺』、第10章"サイエンス社、. 84-93 (2000)