2002 Fiscal Year Annual Research Report
メカニズム・デザインの基礎理論とその応用モデルの多様化
Project/Area Number |
12630002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀 元 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90004209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 次郎 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10302069)
三宅 充展 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00190752)
鴨池 治 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60004199)
芹澤 成弘 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (90252717)
林山 泰久 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (20260531)
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Keywords | メカニズム・デザイン / 分割不可能財 / 環境問題 / 地球温暖化 |
Research Abstract |
本研究は,メカニズム・デザインの理論を発展させ、経済学のいろいろな各分野のモデルに応用することを目的としている。平成14年度は、研究計画調書で説明したプロジェクトのうち主にプロジェクトIII)とプロジェクトIV)で以下のような研究を行いました。 プロジェクトIII)1)銀行に対する自己資本比率規制は銀行の債務超過による破綻の可能性を抑える目的で導入されていますが、自己資本にどのような項目を組み入れるべきかに関する議論が近年、盛んに行われてきました。銀行の破綻による経済への甚大な影響を考慮すれば、銀行破綻の可能性を限りなくゼロにするメカニズムとして、最適な自己資本比率規制とは如何なるものかを分析することは重要です。この問題意識に沿って、自己資本比率が銀行収益に及ぼす効果を検討し、銀行の期待自己資本収益率と銀行の破綻確率の間にはトレードオフが存在することを証明しました。2)日本企業の企業統治メカニズム・役員構成とそれらが役員報酬に与える影響についての実証分析を行い、所有と経営が分離している企業とオーナーが経営上の意思決定を行うことの出来る企業を比較すると、役員に対して金銭的報酬を通じて株主の利益を追求するインセンティブが与えられているのは後者であり、前者には与えられていないという結論を得ました。 プロジェクトIV)環境経済学および農業経済学の分野では、環境の最適供給水準およびそれを達成するメカニズムを知るという政策的観点から、利用価値(Use Value)のみならず非利用価値(Nonuse Value)をも包含した環境の価値を如何に精緻に計測するかが議論の対象の一つとなっています。環境を利用することから生じる総価値を補償的偏差および等価的偏差の概念で定式化し、総価値が利用価値および非利用価値の加法分離形で表現できることを示し、利用価値は、直接的利用価値および純間接的利用価値に分離可能であることを示し、さらに利用価値および非利用価値は、市場で観察可能な顕示選好データから個別に評価が可能であることを示しました。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 泉田成美: "日本企業の統治構造・役員構成と、それらが役員報酬に与える影響についての実証分析"研究年報 経済学. Vol.64. 95-130 (2003)
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[Publications] 鴨池 治: "自己資本比率決定の銀行モデル"現代の金融と地域経済(下平尾勲編著、新評論). (2003)
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[Publications] 林山 泰久, 森杉 壽芳, 小抜 和裕: "顕示選好データによる環境質の便益計測-環境質の直接的利用価値と間接的利用価値"土木学会論文集. No.713. 21-36 (2002)
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[Publications] Miyake Mitsunobu: "Precise Computation of a Competitive Equilibrium of the Discrete Land Market Model"Regional Science and Urban Economics. (発表予定).