2002 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀社会主義経済体制の崩壊とその将来的含意に関する理論的実証的研究
Project/Area Number |
12630003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 国彦 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70004207)
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Keywords | 社会主義 / 資本主義 / 経済体制 / ソ連 / 東欧 / 中国 / 唯物史観 / 体制転換 |
Research Abstract |
来るべき知識社会的資本主義はポスト社会主義でもあり、ポスト社会主義とは、社会主義体制崩壊の影響があるとともに社会主義体制興亡の教訓を生かすべき社会でもあって、そうしたポスト社会主義という特性が、21世紀に、つまり生産力のあり様が産業社会から知識社会に大きく変わる中で、どのような含意を持つかが問題である。そうした将来的含意を探る目をもって20世紀社会主義経済体制の経緯と崩壊原因を再考すべきだと考えている。 20世紀社会主義経済体制を資本主義に必然的に伴う社会病理に対する実験的ではあるが19世紀的であった療法とみなす立場から、その体制の存在の経緯と崩壊原因を現時点のレベルにおいて再考することが本研究の目的である。 本年度は、(1)昨年度に引き続き本研究テーマに関係する文献資料の全般的、系統的な購入・収集と整理、検討をおこない、(2)先行諸説および関連する諸テーマについての検討を継続するとともに、(3)関連する学会や研究会への出席により意見交換と情報収集をおこない、また国内主要研究機関において文献・資料を調査した。 従来私は社会主義体制崩壊の根本原因としてマルクス自身の社会主義経済構想の問題点を重視してきたが、マルクスの唯物史観自体の問題点、とりわけ社会様式への社会的心理・倫理領域の影響の軽視なども大きな要因であると考えるに到った。そうした諸点の考察は崩壊の将来的含意考察にとっても重要であると思われる。
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