2001 Fiscal Year Annual Research Report
貿易政策の動学的研究:関税・数量規制政策と自由貿易政策の比較と相互関連
Project/Area Number |
12630009
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
片山 誠一 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70047489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 博史 神戸大学, 国際協力研究所, 教授 (50118006)
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Keywords | commercial culture / political culture / political economy / endogenous trade policy |
Research Abstract |
日本の商取引慣行と政治風土の特徴を加味した内生的貿易政策モデルを構築する。伝統的商取引慣行と政治風土が貿易政策形成に重要であることを示す。米国型のモデルと日本型モデルを比較対照出来るモデルをもって、日本の貿易政策形成の動学過程を検証する。内生的政策モデルを動学化した上で、日本の政策に当てはめることが出来るか検証したものとしては初めての研究である。その応用日本型モデルにおいては系列取引を前提にした生産・投資を行う企業を代表させ、一方米国型モデルでは、競争的取引・無系列関係性を前提にした企業を考えている。特に両モデルにおける相違点は、企業の関係特殊的投資が必要であるか否をモデルに組み入れるか否かに表れる。政策決定過程では、ロビー活動による政党支援から政策選択が行われるように考えモデル化されている。政党の政策選択は、日本型モデルにおいては保護的政策を主張するか、あるいは米国型では自由貿易競争政策を主張するかを提示した上で、選挙の結果により選ばれるモデルである。そして戦後日本の貿易政策が、戦後保護主義的な貿易政策から国際競争力を持つようになって自由貿易政策に転換してゆくプロセスを大変うまく説明できることを論証する。論文は平成14年3月の香港で開催される国際学会で報告の予定であり、現在すでに国際的専門雑誌に投稿審査の段階にある。なお研究発表欄に記載した論文は、当科学研究費補助によって初期段階で上げられた成果が専門書の一章に採択出版されたことを表す。
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