2000 Fiscal Year Annual Research Report
協力ゲームの理論による自治体の地域連携事業の費用分担に関する研究
Project/Area Number |
12630014
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
大平 純彦 静岡県立大学, 経営情報学部, 助教授 (20194285)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 学 早稲田大学, 社会科学部, 助教授 (30217509)
末松 俊明 静岡県立大学, 経営情報学部, 講師 (80216275)
|
Keywords | 協力ゲーム / 最適提携構造 / 提携値総和最大法 / コア指標 / 最大コア指標最小化法 |
Research Abstract |
今年度の研究成果として協力ゲームの理論を用いて最適提携構造を決定する2つの方法論を提案した。一般にn個の自治体がある場合、社会資本整備に関してどのように提携することが望ましいであろうか。この場合においては分担費用の決定だけではなく、各自治体はどのような提携を行なうべきかをまず決定する必要がある。これは社会的に最適な提携の組み合わせ、すなわち「最適提携構造」を求める問題である。 一般に、費用分担問題において、費用分担問題から還元される提携型ゲームは、全自治体が一つの提携を行うことが社会的に望ましいという前提をみたしているわけではない。しかし費用分担問題から還元される提携型ゲームに対して、提携値の総和を最大にするように最適提携構造を定めた場合、得られた部分ゲームにShapley ValueやNucleolusなどのような効率性をみたすような解を適用して配分を求め、費用分担額を計算することは十分に意味のあるものになる。このような最適提携構造の決定法を「提携値総和最大法」という。提携値総和最大法を検討した結果、もとのゲームがコアをもたないときに、部分ゲームはコアをもたない場合があることが明らかになった。しかしそのような場合においても、部分ゲームは"コアをもたない程度に関して改善"しているように思われる。そこで、"コアをもたない程度"を具体的にあらわす指標として「コア指標」を新たに導入し、各提携の不満の大きさをなるべく小さくするように提携構造を決定するのが望ましいのであるから、部分ゲームのコア指標のなかで最大のものをなるべく小さくするように提携構造を決定する方法を導入した。この最適提携構造の決定法を「最大コア指標最小化法」という。これらの方法論を用いて現実の最適提携構造を決定することが次年度の課題である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 末松俊明,大平純彦: "地域連携評価のゲーム論的分析"経営と情報. 12巻2号. 23-33 (2000)
-
[Publications] 末松俊明,大平純彦: "提携型ゲームのコア指標"経営と情報. 13巻1号. 7-14 (2000)