2001 Fiscal Year Annual Research Report
先進国の経済学・社会科学および教材メディアの比較研究
Project/Area Number |
12630016
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
池尾 愛子 早稲田大学, 商学部, 教授 (70176080)
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Keywords | 社会科学 / 経済学 / 先進国 / 国際比較 / ネットワーク / マルチメディア / 方法 / 経済学史 |
Research Abstract |
1 論説「社会科学とコンピュータ・ネットワーク利用」(2001年12月)では、コンピュータ・ネットワークの利用が社会科学(計量経済学者をのぞく)の研究や教育の方法に対して及ぼしている影響について、利用者の立場から論じた。対象期間は、多くの社会科学者が劇的な変化を経験した1990年代以降である。そして、アーカイブ構築の問題、匿名で発信される情報の危険性を学生に教えること、コンピュータ・ネットワークは開放性が高いが故に、一人一人がネットワークを護る強い意思を持つ必要があることなどを指摘した。 2 秋学期には「現代社会科学論」をマルチメディア教育実験室において、ユーロ導入の進むヨーロッパや動きの目立つ国際諸機関を意識しながら、インタラクティブに実施した。大半の授業用資料と、学生の小レポートを氏名抜きで一覧にしたファイルにパスワードをかけたものを、ローカルサーバにおいた。2002年度の授業では、効率性に配慮しながら、遠隔授業の可能性を探る予定である。学内関係箇所と既に連絡をとり、シラバスにも一部を公開したり論文で紹介したりする可能性があることを明記した。2年半分の実験授業の成果を、2002年8月のPCカンファレンスで発表できるように申請中である。また、専門ゼミの卒業論文はCD-Rに焼きつけて、論文集とした。 3 先進国における「経済学史の将来」を議論する会議(2001年4月)において、'History of Economics in Japan : A Form of Social Science'を発表した。戦後日本における経済学史研究は、社会科学研究の一環として行われてきたことを強調したが、会議の目的に配慮し、会議の場での討論や後のレフェリー・コメントを生かして改訂し、副題もTurn for the Futureに変更した。今少し手を入れると、History of Political Economyに掲載される予定である。 4 アメリカ社会科学連合の年次大会(2002年1月)では、ユーロと米ドル、EUと韓国・日本の関係などについて情報収集し、帰国後も専門家と連絡を取っている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Aiko Ikeo: "History of Japanese economic thought : the present and the future"経済学史学会年報. 39号. 94-102 (2001)
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[Publications] 池尾愛子: "社会科学とコンピュータ・ネットワーク利用"早稲田商学. 391号. 409-426 (2001)
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[Publications] Aiko Ikeo: "History of Economics in Japan A Turn for the Future"History of Political Economy. 34巻補完号(未定). (2002)
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[Publications] Aiko Ikeo: "Comments on R. Dore's 'Reform? The Dubious Benefits of Marketisation'"C. Freedman ed. Economic Reform in Japan, Cheltenham : Edward Elgar. 48-52 (2001)
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[Publications] 池尾愛子: "書評:The Development of Economics in Western Europe since 1945, ed, by A. W. Coats"経済学史学会年報. (39). 199-200 (2001)