2000 Fiscal Year Annual Research Report
日本のコンピュータ産業と通信・ネットワーク産業の効率(対米比較優劣位)の決定要因
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12630021
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Research Institution | Osaka Gakuin University |
Principal Investigator |
鬼木 甫 大阪学院大学, 経済学部, 教授 (40107107)
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Keywords | IT製品 / ITサービス / IT産業 / 日米比較 / 日本型製品 / 企業組織のIT化 |
Research Abstract |
本研究は、IT部門の供給面(産業生産面)における日米格差の「原因」を明らかにすることを目的とする。ただし本研究では、日本のIT産業を発展させるための短期および長期の方策を見出すために有用と考えられる「原因」の解明に重点をおいた。ITの利用・普及面の日米格差も重要な研究課題だが、本研究ではIT産業の供給側に焦点を絞った。 本研究では、IT産業の日米格差を説明する複数の「原因」を提示し、その中心である下記の仮説を検証した。『IT産業の生産物・サービスは、製造業の生産物と異なる特性を持っている。製造業においては、日本型企業の特色である「深く緻密な協力(deep coordination)」がパワーを発揮した。これに対しIT産業では、「開かれた広範囲の協業(wide coordination)」が重要だが、日本型企業ではWCが不十分であった。日本型企業でWCを増大させるためには、前提条件として「企業組織の情報処理能力」の向上が必要である。』 本年度においては、研究実施計画にしたがい、下記の基本「仮説]の検証をおこない、おおむね同仮説を肯定的に受容できることを見出した。「IT産業全般で日米格差が存在することは合意されているが、個別製品・サービスについてはばらつきがあり、日本が優位に立っている製品もある(例えばコンピュータ用ディスプレイ)。」
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 鬼木甫: "米国の周波数オークションと日本の電波資源"日本経済学会特別報告(横浜市立大). (2000)
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[Publications] 鬼木甫: "コンピュータ・半導体:オープン化に弱かった日本"『日本経済の効率化と回復策-なぜ日本は米国に遅れたのか』、大蔵省財政金融研究所. 51-94 (2000)
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[Publications] 鬼木甫(共著:実積寿也,三友仁志): "情報通信技術によるSustainable Societyの実現可能性とわが国情報化投資の現状"情報通信学会大会(報告). (2000)
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[Publications] Hajime Oniki: "Developing Cooperation for Regional Information Infrastructure : Japan's Perspective."Conference on A Vision for Economic Coopereation in East Asia : China, Japan, and Korea, Honolulu, Hawaii, USA. (2000)
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[Publications] 鬼木甫: "IT革命の基盤としてのビジネス情報・社会経済情報 二十一世紀の日本への提言"情報通信学会関西支部大会基調講演. (2000)
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[Publications] 鬼木甫: "米国における周波数資源の管理体制の変遷-政府の直接管理から『実質上の私的所有権』の成立へ:1910-1993"大阪学院大学通信. 31-9. 13-31 (2000)