2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12630034
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
良永 康平 関西大学, 経済学部, 教授 (90191626)
|
Keywords | EU / EU統合 / ドイツ / 産業連関表 / 国際産業連関表 / 地域間産業連関表 / EC統計局 / ヨーロッパ統合経済計算 |
Research Abstract |
本研究は、EU諸国の最新の産業連関表を検討・分析しつつ、70〜80年代だけではなく、90年代までも展望しうるような新たなEU国際産業連関表を作成・分析することを目的にしている。研究初年度にあたる本年度は、まずオランダのシルドリンク(J.H.F.Schilderinck)教授の作成した1960〜1975年初期EC6カ国の国際産業連関表や、日本の通産省が作成した1985・1990年先進国間国際産業連関表などによって、90年代に至るまでのEC統合過程を分析した。その結果、70年代初頭には石油ショック等によって統合過程は頓挫したものの、60年代や市場統合に向けて動き出した80年代後半は相互依存が高まり、各国経済は逆にEC全体の地域経済化していったことを明らかにした。また90年代についても、本格的な国際産業連関表を作成するための準備段階として、まずドイツと他のEU14カ国全体との1995年国際産業連関表を作成し、その相互依存構造を解明した。その結果、相互にきわめて緊密な連関構造にあり、特に設備やプラント等の資本財をドイツに依存したEU諸国の現状が、産業連関分析の観点からも明らかとなった。しかしこの国際産業連関表をさらに多国間に拡充していくためには、90年代を対象とした新たな貿易データや各国産業連関表が必要であり、その入手と検討も行った。まず貿易データからは、主要財貨ごとにEU貿易マトリックスの作成を行った。また95年にはESA(ヨーロッパ統合経済計算)の改訂が行われたために、各国とも90年代の産業連関表はこれに対応したものが作成・公表され始めている。そこで、基本価格によって評価されることになったこれらの産業連関表を、従来の生産者価格による評価のものと比較・検討し、また、新たに採用された産業部門分類(NACE・rev.1)と従来のものとの関連を考察した。
|
Research Products
(1 results)