2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12630034
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
良永 康平 関西大学, 経済学部, 教授 (90191626)
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Keywords | EU / EU統合 / ドイツ / 産業連関表 / 国際産業連関表 / 地域間産業連関表 / EU統計局 / ヨーロッパ国民経済計算 |
Research Abstract |
本研究は、EU諸国の最新の産業連関表を検討・分析しつつ、70〜80年代だけではなく、90年代までも展望しうるような新たなEU国際産業連関表を作成・分析することを目的にしている。研究3年目にあたる本年度は、1〜2年目に行った90年代の貿易データや各国産業連関表の入手・検討をもとに、本格的な国際産業連関表を試作し、様々な分析を試みた。EU国際産業連関表として作成したのは、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、ベルギー、オランダ、デンマーク、アイルランド、スペイン、ポルトガルの10カ国を対象国とし、各国とも25部門の共通産業分類(NACE)を用いた巨大な(内生25部門×10カ国)表で、しかも1985-1990-1995年の時系列比較が可能なものである。この作成にあたっては、各国の産業連関表はもちろんであるが、本国でも作成されていないなどの事情により、どうしても入手できないものに関しては、EU統計局のEURO法によって推計を行った。これらの基礎データをもとに、財貨及びやサービス貿易の統計によって輸出ベクトルを相手国及び財貨・サービス別に分割し、相手国のEU域内輸入表の構成比を参照しつつデータを埋め込んでゆき、最後に行和・列和バランスを調整した。この生産者価格評価の産業連関表を用いて、単一欧州議定書(1986年)〜市場統合(1993年)を経てEUの第4次拡大(1995年)に至る過程を、主として相互依存・連関の変化という観点から分析・考察した。さらに付帯研究として、アジア経済研究所の作成しているアジア国際産業連関表との比較も試みた。連関度・相互依存度はEU諸国の方がいずれの年も高く、特にスペインの域内化が顕著であること、しかし1995年には両地域で相互依存度が若干低下していること等が看取された。今後、分析結果だけではなく国際産業連関表自体も公表する予定である。
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