2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12630036
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 文和 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70113644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蟹江 章 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (40214449)
吉見 宏 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (90222398)
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Keywords | 環境報告書 / ISO14001 / EMAS / GRI / 環境情報開示 |
Research Abstract |
1、これまでに収集した内外の環境報告書の整理、収集、解析を行い、データファイル化した。 EMASのドイツ、オーストリア、オランダ、イギリス、北欧諸国などの各会社の環境報告書を中心に、解析を行い、EMASの環境報告書が必ずしも統一した環境指標の基づいて作られていないこと、ドイツがずば抜けて多いのは、環境報告書を提出すれば行政への報告を免除されるなどの制度的保障がなされていること、が明らかとなった。 2、とくに、環境情報開示項目、開示度の比較を行った。 日本と欧米にける環境報告書の情報開示度の比較を行い、アメリカ系企業の環境報告書が株主などのステークホルダー向けに作られているのに対して、日本企業の環境報告書は、いわば全方位型の報告書が多く、焦点が定まらない傾向があること、などが明らかになった。 3、環境報告書の作成や反応について個別企業からの聞き取りを行った。 日本の企業からの調査では、報告書が広報部門を中心に作られ、環境報告書がいわばPRの手段として重視されている実態が明らかとなった。 4、EMASの改定作業、ISO14001の見なおし作業、GRI(Global Reporting Initi ative)の策定過程について、情報を収集した。 とくに、GRIは今後の世界の環境報告書が、社会関連・社会的責任報告の一環として統合されていく方向性を示すものとして重要であり、今後の動きを注意深く見守る必要がある。 5、環境管理、環境報告書などについての国際会議に出席・報告をおこなって、研究交流・情報収集を行った。 Ecological Economics(オーストラリア)、Greening Industry Network(バンコク)、World Bank Forum(韓国)などの国際会議に出席し、日本の環境管理や環境情報開示について、報告、情報交換を行った。
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[Publications] F.Yoshida: "Environmental Clean-up and Cost Bearing"Economic Journal of Hokkaido University. Vol.29. 19-29 (2000)
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[Publications] F.Yoshida: "Soil Pollution Control in Japan"Environmental Economics and Policy Studies. Vol.3. 59-64 (2000)
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[Publications] 吉田文和: "環境問題と政治経済学の課題"経済理論学会年報. 第37集. 234-250 (2000)
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[Publications] 吉田文和: "循環型社会基本法下の廃棄物問題の背景と解決への展望"廃棄物学会誌. 12-2. (2001)
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[Publications] 蟹江章: "フランスの会計監査役の責任"経済学研究(北海道大学). 50-1. 49-68 (2000)
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[Publications] 蟹江章: "わが国の監査基準および監査慣行に関する一考察"経済学研究(北海道大学). 50-3. 67-77 (2000)
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[Publications] 蟹江章: "税効果会計の光と影-繰延税金資産の回収可能性判断をめぐって-"税経通信. 56-1. 78-84 (2000)
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[Publications] 吉田文和 他: "欲望の解放(『二〇世紀の定義』第三巻)"岩波書店. 249 (2001)
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[Publications] 環境経済・政策学会編集(吉田文和編集委員長): "『アメニティと歴史・自然遺産』"東洋経済新報社. 239 (2000)