2001 Fiscal Year Annual Research Report
東北・九州地方における外来型工業化地域の生産システムと新産業創出に関する比較研究
Project/Area Number |
12630039
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
末吉 健治 福島大学, 経済学部, 助教授 (50261722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
初沢 敏生 福島大学, 教育学部, 助教授 (10211476)
山川 充夫 福島大学, 経済学部, 教授 (00094285)
松橋 公治 明治大学, 文学部, 教授 (30165849)
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Keywords | 企業間ネットワーク / 米沢市 / 熊本県 |
Research Abstract |
昨年度は、山形県米沢市における産業支援策・企業間ネットワークに関する実態調査および熊本県における産業支援策・企業間ネットワークに関する予備調査を行った。今年度はその予備調査を基礎にして、熊本県における製造業企業のヒアリング調査を中心に実施した。ヒアリングの対象とした業種は、自動車部品関連企業、金属加工(金型)関連企業、工作機械関連企業である。その結果、明らかになった点は以下の通りである。 1.自動車部品関連企業の場合には、熊本県といった比較的狭い空間スケールというよりも、北部九州全域にわたって企業間ネットワークが形成されつつある。この特徴は、それが従来の系列を越えて展開していることである。しかしながら、その本格的な展開はこれからといったところであった。民間主導という点で、「米沢電機工業会」と共通する点がある。 2.金属加工関連企業の場合には、企業自らの展開あるいは創業にあたって、熊本県工業技術センターの行っている異業種交流のための「研究会」が重要な役割を果たしていることが明らかになった。つまり、「公」の提供する「場」が新産業創出のために重要な機能を果たしていることが熊本県の場合には見て取れる。この点は、昨年度、実施したテクノポリス財団の事業とも共通している。 3.以上の点と米沢市で実施した調査結果を比較すると、米沢市の場合には企業間ネットワークが民間主導で形成されている点に特徴があり、熊本県の場合には「公」の役割がより重要となっているといえる。
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