2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12630040
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
山本 博史 茨城大学, 人文学部, 助教授 (40302319)
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Keywords | 途上国経済 / 産業政策 / 砂糖産業 / 輸出産業 / 投資政策 |
Research Abstract |
本年度は外務省の外郭団体である国際交流基金からフェローシップが得られたことから、茨城大学人文学部社会科学科同僚の理解のもとほぼ一年間教育義務と学内行政の負担を免除してもらい、一年を通じタイ王国において調査研究活動に専念した。 2002年3月27日から11月25日と2002年12月13日から2003年2月25日にかけて、タイ国内における現地調査研究を行った。調査対象は国立公文書館、工業相糖業局、タマサート大学、チュウラロンコーン大学、農務省経済局、日系の現地砂糖工場であるクンパワピー・シュガー会社などであった。また、2003年3月5日から4月5日にかけても再度の現地調査を予定している。 このように本年度は現地における調査期間がほと.んどの時間をしめたため、日本における論文執筆ができなかったことをまずお断りしておく。現在取りまとめ中である本年度の研究成果としては、経済危機後のタイ砂糖産業の分析の基礎資料となる第二次世界大戦後のタイ糖業関連の統計の再検討が完了したことであった。問題点で最大のものは、農務省関係の生産関連統計が統計作成時における不備から多くの矛盾を抱えている事実が明らかになったことである。また、タイ砂糖産業が輸入代替を達成するうえで大きな役割のあったタイ国糖業公社の、50年代における資料が統計上問題を含んでいる点も同時に明らかとなった。さらに1997年アジア金融経済危機後のタイ砂糖糖業再編のおける資料収集や、日系の製粉工場である東北タイ、ウドンタニー県クンパワピー・シュガーでのインタビューによる資料収集なども今年の大きな収穫であった。同時に、現在進行している砂糖基金をめぐる農民への大幅な借り越しによる負債の経緯についても予備的調査を行なうことができた。来年度は、工業省を中心にさらに調査を進める予定である。
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