2000 Fiscal Year Annual Research Report
労働市場の規制緩和による雇用創出効果と公的就労事業に関する国際比較研究
Project/Area Number |
12630051
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
伍賀 一道 金沢大学, 経済学部, 教授 (20104870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 寿一 金沢大学, 経済学部, 教授 (10200916)
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Keywords | 公的雇用創出事業 / 公的就労事業 / 労働者派遣事業 / 労働市場の規制緩和 / 雇用の弾力化 |
Research Abstract |
1平成11〜12年度に実施された政府の緊急雇用対策の中の公的雇用創出事業の具体的な実施状況と雇用創出効果、失業者吸収の実態について、大阪府の事例を中心に聞き取り調査を実施した。特に、日雇労働者がホームレス化している大阪西成区の愛隣地区における公的雇用創出事業の実施状況について調査を行った。高齢化している日雇労働者の多くが建設現場での就労が困難になり、無収入のためホームレス化している。政府の緊急雇用対策の公的雇用創出事業を活用して、公園や保育園の遊具の補修や河川敷の清掃など軽易な就労事業に日雇労働者を吸収することでホームレス化の防止を実現していることが明らかになった。 2労働者派遣事業の規制緩和にともなって増加している派遣労働者の就労の現状について実態調査を実施した。先の法改正で原則自由化された派遣対象業務では派遣期間が1年以内に限定されたが、このことが派遣労働者の雇用をむしろ不安定にしていること、雇用の安定のためには派遣先の正社員と派遣労働者との均等待遇を図ることが望まれることが明らかになった。 3製造ラインをはじめ放送業界や空港業務などでも請負形態を偽装して派遣労働者が数多く利用されている状況について調査を行った。関西空港では出発カウンターの業務が航空会社系列の派遣会社(業務請負企業)によって担われているが、派遣社員のなかには時間単位で他の航空会社の業務に派遣されている事例などを明らかにした。 4来年度に本格的に研究するドイツ、スウエーデンにおける公的就労事業の実施状況について資料の収集と分析を行った。
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Research Products
(2 results)