2000 Fiscal Year Annual Research Report
金融制度改革後の物価安定期における金融政策運営とインフレーション目標
Project/Area Number |
12630054
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
地主 敏樹 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60171089)
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Keywords | 金融政策 / 政策ルール / シミュレーション / インフレーション / 為替レート / FOMC / 資産デフレーション / 数値分析 |
Research Abstract |
(1)金融政策のシミュレーション分析:アルゴリズム・プログラムの作成 Ken JuddのNumerical Methods in Economicsを主なガイドブックとしながら、ソフトウェアとしてはMatlabを用いて、ミクロ的基礎付けをもったforward-lookingな合理的期待モデルの数値解析アルゴリズムを作成中である。(1)恒常状態に辿り着くことを前提に無限期間の問題を有限期間に短縮すること、(2)将来の恒常状態から逆に現時点へとbackwardに解くこと、(3)期待値の仮径路を想定して現実値の径路を算出し、期待値の仮径路を修正して収束させること(Fair-Taylorの方法)などの、細部を習得してきた。現在は、小国開放モデルにおいて為替レートを金融政策ルールに導入した場合の経済パフォーマンスを調べている。この為替レートを導入したバージョンの数値解析結果を、3月17日に広島大学金融研究会にて報告する予定である。 (2)アメリカ=先行例の金融政策運営の検討 アメリカは、直接金融の発展や金融制度改革に関しては、多くの点で日本に先行してきた。さらに、アメリカが、1990年代初頭に経験した状況は、インフレがかなり鎮静化した下で、資産価格が低落し、数多くの金融機関が困難に直面したもので、きわめて興味深い。当時の政策決定会合の詳細な議事録に基づいて、その金融政策運営を検討した。
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