2000 Fiscal Year Annual Research Report
公益事業における費用構造と規制及び民営化に関する実証的研究
Project/Area Number |
12630055
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
水谷 文俊 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (60263365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正司 健一 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (70127372)
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Keywords | 公益事業 / 費用関数 / 最適規模 / 上下分離 / 競争の効果 / 鉄道 / 水道 / 郵便 |
Research Abstract |
本研究の主要目的は、公益事業における費用構造の分析を行い、その産業における競争導入の可能性の検討や、公共セクターが民間セクターに転換していく際の効率性の向上と、その他の重要な側面である公共性をいかに維持するのかの点に関して検討することである。公益事業における具体的な分析対象は、(1)鉄道事業、(2)水道事業、(3)郵便事業、及び(4)地方公共サービス、の4つの事業をその分析対象とする。 研究のステップは、(1)文献調査及び初期分析、(2)データ収集及びデータ入力、(3)計量モデルによるデータ解析及びデータ補完、(4)モデル構築と政策分析、である。本研究は3年計画で行うため、今年度はこのステップのうち(1)と(2)を中心に行うことになっている。 地方公共サービス以外の3つの事業に関しては、ほぼ計画どおりに進むことができた。しかし、地方公共サービスに関しては資料の入手はできたものの、データ入力までは進むことができなかった。しかし、水道事業に関しては、予定以上の成果を得ることができた。水道事業者のデータをもとに計量モデルを構築し、費用関数を推定した。そしてその関数をもとに最小平均費用をもつ規模がどの程度であるのかを求めた。この結果、水道事業者の最適規模としては、約80万人の給水人口を持つ位の規模であることがわかった。この結果をリサーチアシスタントとして雇用した大学院博士課程学生と共同で論文としてとりまとめ、海外の学術誌に投稿し、最近受理されることができた。
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