2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12630099
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
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Keywords | 等張回帰分析 / 構造変化の検定 / 転換社債 / 社債 / 株価 / CUSUMテスト |
Research Abstract |
普通の事象研究では、ある事情が起こると、企業の株価がどう反応するかを調べるが、理論的に調べる債券の範囲を株のみに限定する必要はない。市場で取引されている債券であれば、何でも良い。アメリカで社債を利用し、事象研究を行う文献も多少あるが、日本のデータを利用したものはないよう。社債に関して取引所に上場している債券の価格と日本証券業協会(JSDA)が発表する店頭売買参考値の利用可能性を検討した結果として日本の事象研究のために、店頭売買参考値が良いと判断した。時期によるが、事象研究で転換社債を利用することも考えられるが、異常収益率の計算が問題になる。異常収益率を計算するベースとして株価の場合、マーケット・ポートフォリオを利用するし、社債の場合、同じ期限のある国債を利用すれば良いが、転換社債は複雑な仕組みなのでよいベースになるものがない。転換社債を利用する場合に関して適切なベースポートフォリオ又は債券を調べた。 上記の研究と別に、ある事象の情報が徐々に明らかになる場合または情報が事前に漏れる場合、事象のタイミングを正確に知ることが問題になる。構造変化がいつ起こったかという事前情報のない場合構造変化の検定の発想と同じように、CUSUMテストのようなテスト又は等張回帰分析(Isotonic Regression)の利用可能性を検討した。等張回帰分析を事象研究で利用する場合、事象によって、株価が上昇するのか、減少するのかを事前に決める必要があり、誤った株価変動方向を仮定すると、事象研究結果に深刻な影響の場合があることが判明された。
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