2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12630101
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
齊藤 愼 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70093565)
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Keywords | ニューパブリックマネジメント / 地方分権 / 財政責任 / 課税自主権 / プライマリーバランス |
Research Abstract |
本研究の最終年度に当たるため、ニューパブリックマネジメントと地方分権に関する理論的・実証的研究を行った。理論的な側面では、日本の地方公共団体の多くが地方交付税を受ける交付団体であることを考慮し、また諸外国の地方財政制度を参考にして、「限界的財政責任」をキーワードとして概念整理を行った。この概念は、国による財政調整を前提として、残りの部分について地方団体が自主的に財源調整すべしとの考え方である。この成果の一部を、2002年8月22日付け日本経済新聞朝刊「経済教室」欄に「自治体 財政責任を担え」(共著)として発表した。その後、2003年3月11日、このテーマについて地方分権改革推進会議において意見を発表した(http://www8.cao.go.jp/bunken/h14/033/siryo.html)。また、これに関して、近年の分権改革により可能となった「課税自主権」に関しても研究を行った。 実証的な側面では、財政状態を示す新たな指標であるプライマリーバランスと既存の指標との関連や、プライマリーバランスと発生主義会計の関連などを中心として研究を行った。プライマリーバランスからみる限り、国の方が地方団体より財政状態が悪いこと、また、地方団体の間でも財政状況には差があること、等を明らかにした。この成果の一部を内閣府主催の[ESRI-経済政策フォーラム]第九回「地方財政のあり方」(平成14年7月17日)において報告した。報告内容とディスカッションの内容は内閣府の以下のホームページに公表されている。(http://www.esri.cao.go.jp/jp/forum1/menu.html)
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