2003 Fiscal Year Annual Research Report
高頻度データを用いた外国為替市場のミクロ構造に関する研究
Project/Area Number |
12630105
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
須齋 正幸 長崎大学, 経済学部, 教授 (40206454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 能典 統計数理研究所, 予測制御研究系, 助手 (70249910)
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Keywords | 超高頻度データ / 市場のミクロ構造分析 / 非線形時系列モデル / ボラティリティ |
Research Abstract |
本年度は円ドル為替レートの高頻度データを用いて円ドル為替市場のミクロ構造を実証的手法を用いて研究した。これまでは為替レートの対数差分を用いて、非線形時系列モデルを用いて市場に流入する情報の効果を、東京、ロンドン、そしてニューヨークという世界の代表的な三つの市場を明示的に区分して検討した。 本年度は上記の市場の影響のほか、曜日効果、主要経済指標の公表の効果などを除去したデータを用いて、市場への情報の流入と為替レートのボラティリティの関係を分析した。また、推計の際には撹乱項に正規分布のほかt分布を採用することで、推計効率を向上させるよう工夫を行った。その結果、依然として市場に流入する情報が為替レートのボラティリティに影響を与えることが確認された。同時に撹乱項にt分布を採用することで対数尤度が増加することがモデルを問わず示された。 またアジアの金融市場のボラティリティと為替レートの関係を検討した。アジアの為替レートはドルへのペッグを採用している国とそうでない国に分かれる。香港、台湾、韓国そして日本の株価とそれぞれの国の間の為替レートを用いて、為替政策の相違と株価のボラティリティの相互関係を多変量GARCHモデルを用いて実証的に検討した。そこではアジア通貨危機の前後で株価と為替レートのボラティリティの関係は変化しているが、それらの関係の中に安定的な傾向はみられなかった。
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Research Products
(2 results)