2000 Fiscal Year Annual Research Report
中小企業向け資産証券化スキーム構築のための調査研究
Project/Area Number |
12630123
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
寺石 雅英 群馬大学, 社会情報学部, 助教授 (20217409)
|
Keywords | 資産証券化 / 中小企業 / ベンチャー企業 / 特定目的会社 / CBO / CLO |
Research Abstract |
中小企業への新たな資金供給ルートとして期待される「資産証券化」は、1998年のSPC法の施行以来、大企業や金融機関においては徐々に活発化してきてはいるものの、中小企業においてはまったく進んでいないというのが現状である。他方、欧米諸国においては、公的機関の支援や制度的な整備により、中小企業も資産証券化による資金調達を多用している。こうした現実認識の下、本調査研究は、資産証券化を利用した中小企業・ベンチャー企業向けの新たな直接資金調達スキームのデザインを目的とするが、そこで本年度末までの到達目標としたのが、(1)わが国において中小企業による資産証券化を阻害している制度的・経済的要因の明確化、(2)欧米諸国における中小企業の資産証券化を支える環境や仕組みの調査・分析である。 前者に関しては、金融機関、証券会社、関連団体、地方自治体、監督官庁等からの聞き取り調査の結果、a.証券化対象資産決定にあたっての逆選択の問題、b.小口資産をプールする機関や仕組みの問題、c.企業評価スキルや企業データの蓄積不足の問題、d.流通市場未整備の問題、e.情報開示や信用各付けの問題、f.コスト・パフォーマンスの問題、g.オリジネーターのインセンティブの問題などが、本質的な阻害要因を形成することが判明した。 一方、後者に関しては、現地調査や文献資料調査により、欧米においては、上記のような阻害要因を取り除くための工夫がさまざまな形で施されていることが明らかとなった。
|