2001 Fiscal Year Annual Research Report
産学官連携に基づく地域プラットホームの形成とコーディネート活動の研究
Project/Area Number |
12630133
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
増田 伸爾 日本工業大学, 工学部, 教授 (50016573)
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Keywords | プラットフォーム機能 / コーディネート機能 / 新産業創出 / 起業家育成 / インキュベートマネジャー / プロジェクトマネジャー |
Research Abstract |
(1)産業創出プラットフォームの形成は、中央省庁の施策に基づきなされたケースが大部分である。これは大別して2系統あり、(1)経済産業省系の創出促進法に基づく「地域プラットフォーム」と(2)中小企業庁系の「中小企業支援センター」とに分類される。 (2)地域プラットフォームは、経済産業省が起業家育成(ビジネスインキュベーション)を第一義的な目的として、各都道府県に中核機能を1ヶ所設置にしており、これを関連支援機能が協力する形をとっている。これらにインキュベートマネジャーを配備し、コーディネート機能としている。 (3)中小企業支援センターは、中小企業庁が中小企業の経営革新を第一義的な目的として、各地に3類型(全国8地方、全国各都道府県と政令市、各都道府県下数ヶ所)で設置したものである。これらにはプロジェクトマネジャー、サブプロジェクトマネジャーを配備し、コーディネート機能としている。 (4)インキュベートマネジャーについてはインキュベートマネジャー育成プログラムを設けて養成につとめており、中小企業支援センターのプロジェクトマネジャーの中にはこれら履修して研鑚につとめるケースもある。 (5)一般に地域の現場においては、起業家育成と経営革新とは同時に生起するケースが多く、インキュベートマネジャー(経済産業省系)もプロジェクトマネジャー(中小企業庁系)も結果的にはこれら両方の要請に応えるべく支援活動を行っている。 (6)上記にもかかわらず、地域プラットフォーム(経済産業省系)と、中小企業支援センター(中小企業庁系)とが深く連携し合うケースはまだ稀である。 (7)熊本県、宮城県、香川県等においては、(6)の両機関の連携がみられる珍しいケースである。 (8)インキュベートマネジャーの任命は同育成プログラムを経ていることが必ずしも必要条件になっていないきらいがある。一方プロジェクトマネジャーの任命は過去の経歴と推薦によっている。 (9)インキュベートマネジャー、プロジェクトマネジャーの能力には大善のあることが推測されるが、まだデータとして示せる段階にきていないのが実情のようで、これらの評価方法を確立し客観的に示せるようにすることが、今後の円滑な運営に不可欠である。 (10)インキュベートマネジャー、プロジェクトマネジャーの活動内容は製菓の「コーディネート活動」と言うよりは、むしろ「事業コンダクト活動」とも言うべきレベルにあり、単なる接着剤的な仲介でなく、積極的に活動にオーガナイズし、指揮していくレベルにある。 (11)インキュベートマネジャー、プロジェクトマネジャーの顧庸形態としては、単年度契約と支援活動実績に基づく報酬が最も妥当なシステムと推測される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 増田 伸爾: "地域産業振興とリエゾン活動"産学リエゾンセンターレポート ILC-3. 3. 10-24 (2001)
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[Publications] 増田 伸爾: "日本のゲノム拠点としてのサイエンスパーク"産学リエゾンセンターレポート ILC-3. 3. 88-91 (2001)
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[Publications] 増田 伸爾: "札幌のIT産業"産学リエゾンセンターレポート ILC-3. 3. 140-143 (2001)
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[Publications] 増田 伸爾: "日本のサイエンスパークの問題点とサバイバル戦略"第11回サイエンスパークシンポジウム予稿集. 11. 3-14 (2002)
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[Publications] 増田 伸爾: "サイエンスパーク研究会の10年"産学リエゾンセンターレポート ILC-4. 4. (2002)
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[Publications] 増田 伸爾: "サイエンスパークとキーパーソンの役割"産学リエゾンセンターレポート ILC-4. 4. (2002)