2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12630141
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
安永 利啓 京都産業大学, 経営学部, 教授 (80230233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 孝夫 京都産業大学, 経営学部, 教授 (00135641)
宮下 洋 京都産業大学, 経営学部, 教授 (80166173)
柿野 欽吾 京都産業大学, 経済学部, 教授 (50097680)
祷 道守 京都産業大学, 経営学部, 教授 (40340434)
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Keywords | 倒産予測 / ゴーイング・コンサーン / 債権格付 / オーダード・プロバビリティモデル / マルタイ・ロジットモデル |
Research Abstract |
企業の経営状態を外部の機関が格付けしてその情報を公開することが一般に行われている。わが国では(株)日本格付投資情報センターの「債券格付けデータベース」が知られており、また(株)金融工学研究所の格付推計モデル「Radar」はこの格付を予測するモデルである。しかしその詳細は企業秘密で公開されていない。 我々は上記のデータベースをセンターの協力により入手し、計量経済モデルにより損害保険企業の格付を予測するという試みを始めた。格付の低下は企業の業績悪化を意味し、さらなる低下は企業存続の危機を意味すると思われる。債券格付の上昇と下降はどのような要因によって左右されるのかを分析するため格付データをランキングに数値変換した。格付は最高のAAAから最低のA+まであり、最高をランク0、最低をランク4として5段階のランクが12社12年(1987年から1998年)の合計144のデータについてつけられ、このランクの推移を説明する要因として資産1単位あたりの剰余金、運用資産合計、責任準備金残高、利益処分額合計、資産負債比率、営業収支残、従業員一人当たりの正味収入保険料、および次期繰越利益金を選び、従属変数がランクという順序変数であることからオーダード・プロバビリティモデルを使用して推定を実施した。 その結果剰余金、運用資産合計、責任準備金残高、営業収支残、および次期繰越利益金の係数が有意となり、これらがわが国損害保険企業の債券格付に影響を与えていることが明らかとなった、これら変数の変化により将来の各企業の格付けがどのようになるかが明確になり、極端に悪化するときには存続可能性を喪失するという予測が得られることになる。
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Research Products
(1 results)