2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12630145
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 隆雄 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40089082)
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Keywords | 業績測度 / EVA / アナリスト・レポート / 残余利益 / 株主価値 |
Research Abstract |
EVA(Economic Value Added)、残余利益、キャッシュフローなどの業績測度の理論的基盤や諸手法間の説明力について、文献サーベイを行い、かつアメリカの研究者ともディスカッションを行った。アメリカの会計学研究者の多くはオールソン・モデルの優位性を支持している。しかし、オールソン・モデルの優位性は、従来、アナリストが利益を重視してきたという現状を反映しているにすぎない。理論研究から私が導いた新たな仮説は、証券市場(実際にはアナリスト)が株主価値の評価にあたって、どのような業績測度を重視するかによって、業績測度の説明力は変化するということである。この仮説に従うなら、EVAがもっと普及すればEVAと株価の相関はさらに高まると推測される。 アナリストが重視する測度が株価に対して高い相関を持つとすれば、企業経営者もまたそのような測度を重視するであろう。したがって、内部業績測度はアナリストが重視する測度と強く共振するであろうという第2の仮説が導かれる。少なくとも、市場で高い評価を得ている企業(たとえば、ソニーや富士通)のヒアリング調査では、この仮説は検証された。 Thomson Financial Investors社から、わが国企業に関する大量のアナリスト・レポートを入手し、これらの仮説について統計的に検証する作業を、現在、進めているところである。
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Research Products
(2 results)