財務数値に見る企業倒産リスクの時系列変化に関する研究-企業倒産軌道を財務数値の時系列変化から把握する-

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12630161
• Research Institution: Nihon University, College of Economies
• Principal Investigator: 白田 佳子 日本大学, 経済学部, 教授 (80289793)
• Keywords: 交差相関 / 経済環境の変化 / 財務データ分布

Research Abstract

1 本年度中の研究
本年度は昨年度得られた知見をもとに、時系列の倒産モデルを構築した。昨年度行った大量の単変量分析によって得られた倒産判別に有意な指標について、従来型の統計処理だけでなく人口知能系の分析手法も取り入れ財務データの解析、倒産判別に有意な指標の最終選択を行った。その上で選択された指標の全データによる分布の確認、時系列における交差相関分析、さらにはバブル経済崩壊以降2001年までの9年間における、経済環境の変化による企業財務への影響度を倒産企業、および非倒産企業別に調査し、これら経済環境の変化に多大な影響を受ける指標を排除するなどの、データスクリーニングを行った。
なお、企業財務が金利や地価の変動に大きく影響を受けながらも、企業倒産率(生存企業の何%が倒産するか)については、いずれの経済指標とも相関があるとは言えないレベルにあることが交差相関分析により明らかとなり、企業倒産が経済環境の変化とは別の要因によって発生することが証明された。
最終的には経済環境の変化には全く影響を受けない財務指標だけを抽出し、倒産判別モデルを構築した。また、構築したモデルを用いて、上場企業の擬似格付けを行い、開発した倒産もモデルが、安定的に事業を継続している企業の評価、分析にも応用できることを検証した。

Research Products

• [Publications] Cindy Yoshiko Shirata: "Relationship between changes in the economic environment And financial ratios : empirical study of bankrupt firms"Proceeding of 14^<th> Asian-Pacific Conference on International Accounting Issues. 107 (2002)
• [Publications] 白田佳子: "企業倒産予知モデル"中央経済社. 310 (2002)