2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長谷川 浩司 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30208483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 玄 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10234593)
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Keywords | 可積分系 / 量子群 / 離散パンルベ系 |
Research Abstract |
本課題は数理物理における可積分系の研究,特にヤン・バクスター方程式の楕円函数解の周辺の代数構造およびその可積分系への反映をテーマとする研究を行うものである. SklyaninらによるCalogero系の離散時間化と,量子群的代数構造との関りについて,次のような問題がある.古典的微分Calogero系の場合,その時間発展はある行列L,Mを用いてラックス型方程式dL/dt=[L,M]で既述され,Lのベキの跡からなる保存量をもち,可積分といわれる所以となる.量子化された系においては,これら保存量の同時固有函数が(少なくとも楕円曲線が退化した場合には)求まり,やはり系は可積分といえる.この差分化・楕円函数化・離散時間化をどう考えるべきかが問題である.Sklyaninらは,差分化された系において離散時間を導入し,qが0になる極限で元のラックス形式を復元するような差分方程式を堤出した.これは可解格子模型におけるBaxterのQ作用素の類似であり,格子模型としては原子が1個の場合を扱うことにあたる. この離散時間の由来については,三角関数的な戸田方程式の場合にはReshetikhinとKashaevにより,アフィン量子展開環U_qから理解がなされている.12年度にはこの仕事と関連して,離散パンルベ系とその野海-山田による拡張におけるワイル群対称性について,そのq類似を構成することができた.論文は現在準備中である.
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Research Products
(1 results)