2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640006
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 正典 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30124548)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 健 東北大学, 大学院・病理学研究科, 助手 (00250663)
伊藤 浩行 広島大学, 工学部, 助教授 (60232469)
原 伸生 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (90298167)
|
Keywords | 代数多様体 / トーリック多様体 / アーベル多様体 / 楕円曲線 / ブローアップ / リース環 / 扇 |
Research Abstract |
石田正典は有理扇について得られた複体の理論の実扇への一般化に取り組んだ.特に,可換環論におけるイデアル論を扇の理論へ翻訳し,代数多様体のブローアップと同等の操作を実扇でも行うための理論作りに取りかかった.また扇のザリスキ・リーマン空間について定式化を行い,実扇の完備化に応用できることを示した. 原 伸生は正規局所環の準素イデアルに関するリース環のもつ環論的及び幾何的な性質をブローアップと特異点解消を用いて研究した.また,正標数の環におけるイデアルのtight closureの概念を,与えられたイデアルに対して定まる"I-tight closure"に一般化して定義し,これを用いて定義されるイデアルγ(I)とmultiplier idealとの関係等に関する研究を進めている. 伊藤 浩行は標数が2の体上定義された関数体上の楕円曲線を主に研究対象とし,モーデル・ベイユ格子理論と特異点の変形理論との関係を考察し,モデルが有理曲面である場合に各種結果を得,更に代数方程式論との関係を考察中である.また,この理論を応用して,楕円曲線暗号に用いられている楕円曲線離散対数問題への準指数的解法となり得る指数計算法の可能性について研究した. 梶原 健は,アーベル曲面から4次元非特異射影トーリック多様体への埋め込みについて研究した.具体的には,(1,5)型の偏極アーベル多様体は,双楕円曲面(完備線形系による射が2重複覆となるアーベル曲面)でなければ,上述のトーリック多様体に埋め込めることを示した.双楕円曲面の場合が現在研究申である.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 石田 正典: "扇の代数幾何における永田のコンパクト化と交叉複体"2001年度代数幾何学城崎シンポジウム報告集. (発表予定). (2002)
-
[Publications] 原 伸生: "Kawachi's invariant for fat points"J.Pure Appl. Algebra. 165. 201-211 (2001)
-
[Publications] 伊藤 浩行: "On extremal elliplic surfaces in characteristic 2 and 3"Hiroshima Math.J.. (発表予定). (2002)