2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640028
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保 富士男 九州工業大学, 工学部, 教授 (80112168)
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Keywords | ポアソン代数 / 非可換ポアソン代数 / ポアソン加群 / 代数的変形 / 変形理論 / 量子群 / ゲルンステンハーバー |
Research Abstract |
2つの積をもつ代数の構造について(非可換ポアソン代数Aの構造) (1)非可換ポアソン代数に潜む重要な元 非可換ポアソン代数Aのなかに重要な役割を果たす元ε(中心的元とよぶ)を発見した。この元を用いるとAのポアソン積とつねにAに内蔵されているポアソン積(交換子積)の関係が記述できる。 (2)ジャコブソン根基が可換であるときの非可換ポアソン代数の構造定理 新しく導入したLie-likeポアソン代数を用いてAがこのような部分代数とポアソンイデアルの半直積であることと証明した。 (3)ポアソン加群Mの分類 Aが半単純とは限らない場合には未解決であった。AとMの半直積が上記(2)を適用できるような非可換ポアソン代数であることを証明し、Aが半単純とは限らない場合にもMの型を決定することができた。 2つの積をもつ代数の変形理論について 本年度は変形理論の知識の整理と最近の状況の把握を目的とした。代数構造の変形理論の創始者ゲルンステンハーバー教授をペンシルバニア大学から平成13年3月9日から3月18日まで招へいした。この間、研究の進展に重要な次の項目について話し合い、研究のより具体的な指針を得た。また、教授はこれらと関連した資料を数多く残して帰国された。 (1)私が彼の理論の本質を理解していることを確認した。教授がナインハウス、小平・スペンサーにヒントを得て代数構造の変形理論を構築したことなど。(2)より広い意味での変形理論の歴史の把握。 (3)代数的変形理論と量子群の関係、代数的変形理論を用いての量子化の例、及びこれらを研究するために必要な道具。 (4)コホモロジー代数におけるカップ積の重要性、新たな積の可能性。
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