2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヤコビー形成およびジーゲル保型形式と関連するゼータ関数の数論的研究
Project/Area Number |
12640045
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
荒川 恒男 立教大学, 理学部, 教授 (60097219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 昇 立教大学, 理学部, 助教授 (30183130)
遠藤 幹彦 立教大学, 理学部, 教授 (40062616)
佐藤 文広 立教大学, 理学部, 教授 (20120884)
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Keywords | セルバーグゼータ関数 / モジュラー群 / 不定符号4元数環 / 保型形式 / Weierstrass部分空間 / 弱球等質空間 / 概均質ベクトル空間 / Gamma行列 |
Research Abstract |
1.研究代表者は,モジュラー群SL_2(Z)のユニタリ指標つきのセルバーグゼータ関数(12個ある)を実次体の整環に関連する量で明示的に表示する公式を得た.また有理数体上不定符号4元数環の整環から得られるSL_2(R)の数論的離散群Γのセルバーグゼータ関数についてもEichlerの4元数環の整環に関する結果を使って同様の明示公式を得た.この結果は,この種の数論的離散群に関する素数定理を記述する際に有効である. 2.研究代表者とS.Boechererは共同研究で,段がNのSL_2(Z)の合同部分群に関するあるtheta multiplier付きの重さ1の保型形式の空間を調べた.Nに平方因子がない場合には,この空間が零空間になることを2通りの方法で示した.一つはWeierstrass部分空間の概念を導入してそのvanishingを考察するものであり,他は重さ1の保型形式に関するDeligne-Serreの定理を利用する方法である.この結果には幾つかの応用があり,特に有理数体上定符号4元数環のテータ級数の線形結合に関するHashimotoの予想を解決することができた. 3.分担者佐藤は,弱球等質空間の球関数が満たす関数等式を表現論的方法で調べた.すなわち,退化主系列表現の間のintertwining作用素に現われる積分を利用して球関数の関数等式に現われるGamma行列を,相対不変式の(変数を特殊化したものの)複素ベキの積分として明示的に表す公式を得た.この公式は,概均質ベクトル空間のゼータ関数の関数等式に現われるGamma行列と極めて簡単な関係で結ばれ,概均質ベクトル空間に対しても新しいアプローチを与える. 4.分担者佐藤は,ある非正則な概均質ベクトル空間の関数等式の明示的計算を行った.これは,非正則な空間に対するゼータ関数の関数等式の初めての具体例を与える.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Arakawa: "Saito-Kurokawa liftings for odd weights"Comment.Math.Univ.St.Pauli. 49. 159-176 (2000)
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[Publications] F.Sato and Y.Hironaka: "Local densities of representations of quadratic forms over p-adic integers : the non-dvadic case"J.of Number Theory. 83. 106-136 (2000)