2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640046
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上野 喜三雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70160190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 元 早稲田大学, 理工学部, 講師 (90277848)
福島 延久 早稲田大学, 理工学部, 講師 (00298168)
西澤 道知 早稲田大学, 理工学部, 助手 (20318801)
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Keywords | q解析学 / 特殊関数 / 多重ゼータ値 / 多重対数関数 / 多重ガンマ関数 / q差分方程式 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、研究代表者は『多重ゼータ値(MZV)』に関して研究を行なった。MZVにおける大きな研究テーマは、MZVの満たす代数関係式の類別であり、それは数論における様々な深い研究テーマ(たとえば、絶対ガロア群の研究)と繋がっていることが知られている。昨年度から今年度にかけて、MZVの母関数の逆メリン変換が、多重対数関数(multiple polylogarithm, MPL)そのものになること気づき、その結果として、MZVのみたす関係式が、MPLのみたす微分方程式の解の接続関係式(モノドロミー)として理解できる可能性があることを発見した。研究は現在も進行中であるが、途中結果を日本数学会秋季総合分科会代数学分科会(01年10月3日〜6日於九州大学、講演タイトル「大野関係式の別証明」)と香川大学数学セミナー(01年10月8日於香川大学教育学部、講演タイトル「Polylog系の接続公式と多軍ゼータ値の関係式」)において発表した。また、この研究テーマに関連して、九州大学の金子昌信氏、井原健太郎氏、近畿大学の大野泰生氏を招いて小研究会を開催し、有益な意見交換をすることができた。この春の日本数学会総会代数学分科会(02年3月28日〜31日於明治大学、講演タイトル「多重LogのLanden型接続公式と大野関形式」)においても途中経過を報告する予定である。 研究分担者の西澤は、本年度、多重ガンマ関数に対する『一般化されたヘルダー型定理』の新証明に関する論文を発表したのち、多重ガンマ関数の楕円的類似に関する論文も発表した。さらに「Mehta-Wangの行列式のq-類似」にかんする学会発表と論文発表を行なった。研究分担者の福島は、6頂点模型の近藤問題の研究において更なる前進をした。また、研究分担者の米田はEinstein方程式の解析的な研究に関する論文を意欲的に発表して、宇宙物理学の分野で注目を集めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Nishizawa, K.Ueno: "Integral Solutions of Hypergeometricq-Difference Systems with |q|=1"Physics and Combinatorics, Proceedings of Nagoya Int. Conf.. 273-286 (2001)
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[Publications] M.Nishizawa: "Generalized Holder's Theorem for Vigneras' Multiple Gamma"Tokyo J. Math.. 24. 323-329 (2001)
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[Publications] M.Nishizawa: "An Elliptic Analogue of Multiple Gamma Function"J. Phys. A : Math. Gen.. 34. 7411-7421 (2001)
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[Publications] M.Nishizawa: "Evaluation of a Certain q-Determinant"Lin. Alg. Appl.. 342. 107-115 (2002)
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[Publications] G.Yoneda, H.Shinkai: "Hyperbolic formulations and numerical relativity II"Classical and Quantum Gravity. 18. 441-462 (2001)
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[Publications] G.Yoneda, H.Shinkai: "Constraint propagation in the family of ADM systems"Physical Review D.. 63. 124019 (2001)