2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640053
|
Research Institution | Niihama National Coflege of Technology |
Principal Investigator |
柳井 忠 新居浜工業高等専門学校, 数理科, 助教授 (50220174)
|
Keywords | ホップ代数 / 積分 / 余加群代数 / ガロア型対応 / フロベニウス拡大 |
Research Abstract |
体Kに有限次分裂ホップ代数Hが作用しているとき,スマッシュ積代数K#Hの右余加群部分代数の性質を積分という元をもとに考察し,積分と右余加群部分代数に関する結果と,ホップ代数のガロア型対応の理論についての成果を得た. 素環Rに有限次分裂ホップ代数HがX外部的に作用しているとし,QをRの対称的マルチンデール商環,KをQの中心,Uを不定元からなる部分環を含むRの部分環,ΛをKを含むK#Hの右余加群部分代数とする.はじめに,ホップ代数のガロア型対応に関してS.Westreichが1999年に発表した定理の証明に誤りがあることを明らかにする反例を構成した.このことをきっかけに,Westreichと共同ですすめた研究の結果,Q#Hの(R#H, U)-両側部分加群の性質に関する補題を得た.これにより,ガロア型対応を与える写像が単射であることは積分を使わずに証明できることが分った.さらに,基礎体の標数が0である場合には,Λはある右余加群部分代数のクレフト拡大であることが分り,このことから,ガロア型対応を与える写像が全射であることを導くことができ,基礎体の標数が0の場合には素環の(不定元からなる部分環を含む)有理的完備部分環と,K#Hの(Kを含む)右余加群部分代数が1対1に対応することが分った.また,クレフト拡大であることから,ΛはK上フロベニウス拡大となること,Λの積分のなす空間はK上1次元であること,Λを含む右余加群部分代数はΛ上自由加群になること,Λとその積分はフロベニウス余代数の定義と似た特徴をもつことなど,右余加群部分代数と積分について当初予想されたことが実際に正しいことが判明した. これらの結果を標数や作用の条件を仮定せずに与えることができるかどうかが、今後の研究の課題となる.
|
Research Products
(1 results)