2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640069
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
菅原 邦雄 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20093255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町頭 義朗 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (00253584)
小山 晃 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40116158)
片山 良一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10093395)
伊藤 仁一 熊本大学, 教育学部, 教授 (20193493)
印南 信宏 新潟大学, 理学部, 教授 (20160145)
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Keywords | Riemann多様体 / Liouville多様体 / 理想境界 |
Research Abstract |
Riemann多様体にはいくつかの無限遠の定義が試みられている。中でもGromovによる理想境界は距離構造にのみ依存した汎用性を持つた無限遠の定義として高く評価されている。その唯一の問題点は、連続関数からなる空間を介した定義のため、幾何学的な意味付けが明確でないことにある。そのため、無限遠の形状が具体的に解明されているのはごく限られた場合でしかなかった。 本研究においては、理想境界の幾何学的な意味付けを得るために、3次元以上の具体的な空間の理想境界の形状を分析することを課題としていた。今年度解明できたのは以下の内容である。 ・Euclid空間の中の2次曲面はLiouville多様体としての定式化が知られている。それを利用して、今年度は、n+1次元Euclid空間の中のn次元楕円放物面の測地線の定義方程式を具体的に計算した。その結果3次元以上では測地線は同一の挙動を示すことが分かった。無限遠に発散する点列の到達する先は、(Liouville多様体としての二つの)特異集合からの距離の差の極限が規定している。すなわち理想境界は閉区間で、その両端はBusemann関数である。 一般の非コンパクトLiouville多様体においても、特異部分集合は二つの連結成分を持っている。したがって、無限遠への発散点列において、それらからの距離の差が無限遠を規定しているものと期待される。しかし、現時点で利用可能なLiouville多様体の定式化では対応できないので、それは今後の研究の進展に関わっている。
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[Publications] Machigashira, Y.: "Total excess on length surfaces"Math. Ann.. Vol.319. 675-706 (2001)
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[Publications] Itoh, J.: "Essential cut locus of on a surface"Tohoku Math.Publ.. Vol.20. 53-59 (2001)
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[Publications] Nobuhiro, I.: "Gradient vector fields which characterize warped products"Math. Scand.. Vol.88. 182-192 (2001)