2002 Fiscal Year Annual Research Report
リーマン多様体上のLaplace作用素やその変形型作用素の幾何学
Project/Area Number |
12640078
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
石川 晋 佐賀大学, 理工学部, 教授 (10039258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 光太郎 九州大学, 大学院・数理学, 教授 (10221657)
河合 茂生 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (30186043)
塩浜 勝博 佐賀大学, 理工学部, 教授 (20016059)
黒木 哲徳 福井大学, 教育地域研究部, 教授 (90022681)
成 慶明 佐賀大学, 理工学部, 教授 (50274577)
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Keywords | 部分多様体論 / 極小曲面論 / 共形幾何学 / 有限型多様体 / 二重調和多様体 |
Research Abstract |
3次元ユークリッド空間内に等長的に埋め込まれたリーマン部分多様体のそのリーマン計量から決まるラプラス作用素に関するスペクトル分解が「有限的」であるとき,このリーマン部分多様体は「有限型」であるという(Bang-yen Chen氏が提唱). Bang-yen Chen氏は「それがコンパクトのものは球面(これは1タイプである)に限り,ノンコンパクトのものは極小曲面(これは1タイプである)と円柱面(これは2タイプである)に限る」と予想している(Chen's Conjecture).この予想問題は「ラプラス作用素の多項式から決まる任意次数の楕円型偏微分の解はこの3種しか存在しない」ことを示す問題(偏微分方程式の解の存在非存在問題)になるので極めて難しい問題である.実際,問題が提起されて以来20数年経過するが未解決のままである. 参考までに述べると,条件付き曲面(例えば,チューブ,線織面,二次曲面,一部の回転面等)についてはこの予想間題は肯定的に解決済みである.又,上記3種の有限型曲面の位相的特徴は球面から0個の点(エンド),1個の点(エンド),2個の点(エンド)を除去した図形である.これを背景に球面から3個の点(エンド)を除去した曲面族に有限型曲面が存在するか否かを探る問題は未踏地のである. 従来の研究の視点(主に平均曲率の分析に主眼を置く)を変えて次の2つの視点から問題の見直しを進めている.1.ガウス曲率に制限を付す.2.位相的条件を加味する. 1については断片的な計算結果はあるが,未だ論文にするまでには至っていない.、2については新しい着想で,今後の見通しは不明である. 研究代表者には本年度の報告すべき論文はない.研究分担者の論文は多数あるが,それらはこの科学研究費の総合報告(来年度)でまとめて行う.
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