Research Abstract |
多面体について古典的曲面論やリーマン幾何の主要結果や問題が,どのようになっているか調べたものの以下のものを論文にまとめた. (1)多面体のGaussの驚異の定理(3次元空間内),(2)2次元複体のCohn-Vossen型定理,(3)空間グラフの最小全曲率とtight性,(4)3点(4点)を結ぶグラフの全曲率,(5)多面体のWyel型体積公式(3次元空間内),(6)最小積の本質的部分の構造(2次元の場合) また,(1)(5)の一般次元の場合,(7)のや,(7)多面体のBonnesen型不等式,(8)多面体のChern-Lashof型定理等については,現在も執筆中である.また,(1),(4),(5),(6)等については,国際会議等でも発表した. 上述の問題に関連して,今年度得られた結果としては,(3):グラフを空間に実現する際,tight substantialにn次元空間に実現されうる条件は,連続写像のときはは,完全グラフを位相的に含んで,2-連結であることであり,immersionで実現されるためには,さらに,3-連結であることが示された.また,embeddingで実現されるためには,更に,4-連結であることが期待されるが,高次元の場合は,反例があり,4,5次元の場合は成立が期待される. (5):滑らかな部分多様体の管状近傍の体積公式(Weyl)の多面体の近傍に対してのアナロジーとして,多面体では,その本来の管状近傍に対しては,Weyl型の体積公式は成立しないが,多面体に応じて,特別な近傍を取ることにより,Weyl型の体積公式を示した. 新たな問題としては,多面体の表面や凸曲面の鋭角三角形分割を調べた.結果としては,立方体の表面は8個の鋭角三角形に分割され,それが最小個数.正12面体と正20面体は14個の鋭角三角形分割を持つ.更に,double of discsは20個の鋭角三角形分割を持つことが示せ,それによって,回転楕円面は20個の鋭角三角形分割を持ちそれが最小個数であることを示した.また,全ての4面体の表面,凸体の表面に対して,有限個数の鋭角三角形分割の存在とその最小個数を求める問題は引き続き考察中である.
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