2002 Fiscal Year Annual Research Report
乱流場における確率密度関数と間欠性の数理的構造と大規模並列数値計算
Project/Area Number |
12640118
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 俊幸 名古屋工業大学, 生産システム工学科, 教授 (70162154)
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Keywords | 一様等方乱流 / 並列数値計算 / 高次モーメント / 圧力勾配 / 確率密度関数 / 確率密度関数 / 条件付平均値 |
Research Abstract |
1.一様等方乱流の大規模並列数値計算を実行し、空間解像度が1024^3、到達レイノルズ数R.=460の定常状態を得た。この乱流場から、さまざまな統計量が計算され理論と比較検討がなされた。まず、乱流の慣性領域と呼ばれる領域の存在が確認されたので、このスケール領域での、縦、横および混合の速度差の高次モーメントが計算されそのスケーリング指数が現象論的な理論による値と比較された。縦速度差の構造関数のスケーリング指数は理論と一致するが、横速度差については、低い値が観測された。これらは、2003年3月末の米国Santa Feでの国際会議、4月UCSDでのセミナーで報告され、多くの反響を得た。またSanta Feでの会議で、Roma大学のBiferale教授より共同研究の申し入れがあり、7月にポスドクのDaumont博士が当研究室に2週間滞在した。こでSO(3)による構造関数の解析の初期準備が行われた。その後、Biferale教授らとやり取りを重ね、2003年2月にようやく結果が得られ、やはり、横のスケーリング指数は縦のものより小さいことが確認された。 2.乱流中における圧力勾配は流体粒子に働くラグランジュ的な意味での加速度にほぼ等しい。この確率密度関数に関連して、最近、非加法性統計としてのTsallis統計による解析が行われている。このTsallis統計を乱流研究に応用することについていくつかの研究者から、共同研究が申し込まれていた。Los Alamos研究所顧問のKraichnan博士と共同研究が2002年夏より開始され、現在も続いている。その内容は、現在の段階でのTsallis統計を用いて乱流統計を記述するのははなはだ否定的であるというものである。これについては、多くの研究者と国際的な議論を重ねており、近く論文が出版される予定である。 3.また、乱流における構造関数とそのスケーリングについて、Navier-Stokes方程式から導かれる関係式をDNSデータにより解析し、圧力項の重要性を指摘した。また、圧力項の速度差を与えたときの条件付平均値を解析し、その関数形について議論を行った。動力学との関連性を議論し、条件付平均値が速度の2次関数であることを示した。同時にDNSデータと比較しその正しさが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Nakano, T.Gotoh, D.Fukayama: "Roles of convection, pressure and dissipation in three-dimentsional turbulence"Phys. Rev. E. 67. 026316-1-026316-14 (2003)
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[Publications] T.Nakano, D.fukayama, A.Bershadskii, T.Gotoh: "Stretched lognormal distribution and extended self-similarity in 3D turbulence"J. Phys. Soc. Japan. 71. 2148-2157 (2003)
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[Publications] T.Gotoh, T.Nakano: "Role of pressure in turbulence"To appear in J. Stati. Phys.. (2003)
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[Publications] T.Gotoh, R.H.Kraichnan: "Turbulence and Tsallis statistics"To appear in J. Stati. Phys.. (2003)
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[Publications] 金田行雄, 後藤俊幸: "乱流の統計理論"パリティー(丸善)特集[乱流]10月号. 7 (2002)
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[Publications] 後藤俊幸, 石原卓: "乱流のなぞに迫る計算科学"パリティー(丸善)特集[乱流]10月号. 7 (2002)