2000 Fiscal Year Annual Research Report
離散可積分系の手法を用いた直交多項式・連分数展開の理論と応用
Project/Area Number |
12640121
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻本 諭 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (60287977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 弘一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (30314397)
永井 敦 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (90304039)
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Keywords | ソリトン / 離散化 / 直交多項式 / 行列式 / 可積分系 / 有理多項式 / Volterra方程式 |
Research Abstract |
本年度は、離散可積分系と直交多項式について個別的に調べ,データの蓄積を行った。得られた研究実績は以下の通りである。 離散Hugry Lotka-Volterra方程式の半無限格子解とN項間の漸化式を満たす直交多項式との関係を明らかにした。この際用いた手法は,Adler,Moerbekeらにより導入されたstring-orthogonal多項式の特殊化として、離散Hugry Lotka-Volterra方程式の半無限格子解を取り扱い,不等間隔差分化された場合の分子解の導出に成功した。この際,Spiridonov,ZhedanovらによるChristoffel変換やGeronimus変換を導出し,ラックス対も得られた。 研究の成果の一部分は、昨年裳華房から出版された「可積分系の応用数理」(中村佳正編著)の第1章「可積分系の離散化について」と第6章「離散可積分系と数列の加速法」にまとめられている。 また、相対論的戸田方程式をその特殊な場合に含む,R-IあるいはR-II多項式と呼ばれる多項式についても同様な議論ができることを確かめることができた。この多項式から、双直交性を持つ有理多項式を導くことが可能であり、現在、様々な研究が進められている。本研究において,行列式表現を基本とした理論を展開することにより、統一的議論が可能となることが期待されており、いくつかの場合において、その有用性を確かめることができた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.TSUJIMOTO,Y.NAKAMURA,and M.IWASAKI: "The discrete LotkaーVolterra system computes singular values"Inverse Problem. 17. 53-58 (2001)
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[Publications] A.NAGAI,T.TOKIHIRO,and J.SATSUMA: "Conserved Quantities of Box and Ball Systems"Glasgow Mathematical Journal(掲載予定). 43A. (2001)
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[Publications] Y.KAMETAKA,K.TAKEMURA,Y.SUZUKI and A.NAGAI: "Positivity and Hierarchical Structure of Green's Functions of 2-point Boundary Value Problems for Bending of a Beam"Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics(掲載予定). Vol.18 No.2. (2001)
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[Publications] 辻本諭: "可積分系の応用数理(中村佳正編著)第1章「可積分系の離散化について」"裳華房. 328(52) (2000)
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[Publications] 永井敦: "可積分系の応用数理(中村佳正編著)第6章「離散可積分系と数列の加速法」"裳華房. 328(36) (2000)