2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640148
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 昭彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50168431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前島 信 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051846)
三上 敏夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70229657)
新井 朝雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80134807)
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Keywords | マーサー型定理 / タウバー型定理 / 定常過程 / 偏相関関数 / long memory |
Research Abstract |
1.長時間の記憶を持つ定常時系列の代表的な例であるFARIMA過程に対し、その偏相関関数の漸近挙動を、タウバー型定理等を用いて解析し、次の結果を得た。 (a)まず指数が0と0.5にある正の場合について、関係する予測誤差の差分に対しある弱いタウバー型条件を確かめた。これを、以前、予測誤差に対して求めた漸近公式に適用することにより、FARIMA過程の偏相関関数の絶対値の漸近挙動を求めることができた。 (b)次に、指数が-0.5と0の負の場合に対し、(a)と同様の結果を求めようとした。 ここで問題になったのが、予測誤差に対する表現定理をこの場合に拡張することであった。幸いにもこれに成功することができ、これにより、指数が負のFARIMA過程に対し、その偏相関関数の絶対値の漸近挙動を求めることができた。 (c)以上の結果は、絶対値がついたものの漸近挙動を求めている点で、やや不満が残っていた。そこで、絶対値なしの偏相関関数の漸近挙動を求めることが問題になった。これについて、次の様な著しい結果が得られた。すなわち、定常時系列の偏相関関数をAR係数とMA係数を用いて直接に表す表現定理を発見した。これを、漸近挙動の問題に適用することで、絶対値なしの本来の偏相関関数の漸近挙動を求めることができた。 2.数理ファイナンスに関連して、coherent risk measureとくにworst conditional expectationの研究をおこなった。そして、連続で法則不変なものに対するある表現定理を証明した。ここで重要なのは、有界ではなく平均有限な確率変数の空間を考えていることである。
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[Publications] N.H.Bingham: "Tauberian and Mercerian theorems for systems of kernels"J.Math.Anal.Appl.. 252. 177-197 (2000)
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[Publications] N.H.Bingham: "Abelian, Tauberian, and Mercerian theorems for arithmetic Sums"J.Math.Anal.Appl.. 250. 465-493 (2000)
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[Publications] A.Inoue: "Asymptotics for the partial autocorrelation function of a stationary process"J.Anal.Math.. 81. 65-109 (2000)
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[Publications] N.H.Bingham: "Extension of the Drasin-Shea-Jordan theorem"J.Math.Soc.Japan. 52. 545-559 (2000)
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[Publications] A.Inoue: "Asymptotics for prediction errors of sationary processes with reflection positivity"J.Math.Anal.Appl.. 250. 299-319 (2000)
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[Publications] A.Arai: "A particle-field Hamiltonian in relativistic quantum electrodynamics"J.Math.Phys.. 41. 4271-4283 (2000)
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[Publications] A.Arai: "Essential spectrum of a self-adjoint operator on an abstract Hilbert space of Focktype and applications to quantum field Hamiltonians"J.Math.Anal.Appl.. 246. 189-216 (2000)
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[Publications] A.Arai: "Ground states of a general class of quantum Hamiltonians"Rev.Math.Phys.. 12. 1085-1135 (2000)
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[Publications] T.Mikami: "Dynamical systems in the variational formulation of the Fokker-Planck equation by the Wasserstein metric"Appl.Math.Optim.. 42. 203-227 (2000)
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[Publications] M.Maejima: "Distributions of selfsimilar and semi-selfsimilar processes with independent increments"Statist.Probab.Lett.. 47. 395-401 (2000)
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[Publications] M.Maejima: "Completely operator semi-selfdecomposable distributions"Tokyo J.Math.. 23. 235-253 (2000)
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[Publications] 新井朝雄: "フォック空間と量子場上,下"日本評論社. 636 (2000)