2000 Fiscal Year Annual Research Report
Hyperfunction quantum field theory の研究
Project/Area Number |
12640181
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長町 重昭 徳島大学, 工学部, 教授 (00030784)
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Keywords | 場の量子論 / 超関数論 |
Research Abstract |
4次元時空における局所的場の量子論では、散乱を起こすような理論を作ることが非常に困難で、いまだに成功していない。これは数学的に見ると、tempered distributionを基礎に構成された標準的場の量子論の枠組みが狭すぎる、言い換えればその理論を規定する公理系が強すぎるためではないかと思われる。そこでdistributionよりももっと一般なhyperfunctionを基礎に構成されたhyperfunction quantum field theoryの枠組みの中での研究が望まれる。 Hyperfunction quantum fieldに対する局所観測量が定義できるかどうかを調べるのが今回の主な研究テーマであった。コンパクトな台の試料関数をもつ標準的な場の量子論(Tempered quantum field theory)においてさえ、量子場が局所観測量を如何に定義するかという問題はまだ完全には解決していない。Hyperfunction quantum fieldは台がコンパクトな試料関数を持たないので、tempered quantum fieldよりも取り扱いが困難であるが、ほぼ標準的な場の量子論と同等の結果が得られた。2000年7月17日からロンドンのインペリアルカレッジで開かれた第8回国際数理物理学会に参加し、その成果を発表した。またこの結果はアメリカ物理学会のJornal of Mathematical Physicsの2001年1月号に掲載された。2001年1月15日から1週間ほどベトナム師範大学のThai教授を徳島大学に招いて、これらの問題に関して共同研究を行った。
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Research Products
(1 results)