2000 Fiscal Year Annual Research Report
ナヴィア・ストークス方程式の弱解のエネルギー不等式の精密化と部分正則性の研究
Project/Area Number |
12640200
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長澤 壯之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70202223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 誉志雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10180027)
高木 泉 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40154744)
島倉 紀夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60025393)
藤家 雪朗 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (00238536)
小薗 英雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00195728)
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Keywords | ナヴィア・ストークス方程式 / エネルギー等式 / エネルギー不等式 / 弱解 / 正則性 / 一意性 |
Research Abstract |
非圧縮性流体の運動を記述するナヴィア・ストークス方程式に対する研究は、長い歴史があるが、現在に至っても未解決な部分が多い。特に、弱解の正則性・一意性については、部分的な解決がなされているに過ぎない。 弱解とは、方程式をある弱い意味で満たす解の事で、その為、解が滑らかでない部分が存在しうる。解が滑らかかどうかがいわゆる正則性の問題である。解が滑らかであれば、エネルギーは時間変数について保存される。ある弱解に関しては、エネルギーの非増大性は示されるが、保存されるか否かは、分かっていない。これは、エネルギー不等式と呼ばれる。エネルギーが保存されない理由は、弱解に対しては、運動エネルギーの時間に関する導関数の可積分性を示す事が出来ない為である。これは、導関数が時間という「測度」に関して特異な測度である事を示唆する。特異な部分のみの「積分」を考慮に入れなければ、エネルギーの消失は避けられない。 離散的勾配流と呼ばれる方法で構成した弱解は、ある時刻と初期時刻におけるエネルギーの差を1/2階の分数冪時間微分を用いて下から評価出来る。これは、従来のエネルギー不等式には含まれない項である。 逆に、この項が消えるような弱解が、エネルギーを保存するか否かを考察した。この項は、あるスモール・パラメータを0に収束させた時の上極限で定義される。この上極限が0に収束することと、収束の速さにある仮定を設けると、補正項付きのエネルギー等式が成り立つ事が示された。運動エネルギーの時間に関する導関数を超関数の意味で捕らえ、時間に関して「正則」な部分と「特異」な部分の評価を行う必要があった。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] T.Nagasawa: "Closed surfaces minimizing the bending energy under prescribed area and volume"International Conference on Differential Equations Berlin 1999(ed.: F.Fiedler, K.Groger, J.Sprekels). 1. 561-563 (2000)
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[Publications] T.Nagasawa: "Blow-up solutions for ordinary differential equations associated to harmonic maps and their applications"J.Math.Soc.Japan. 53(出版予定). (2001)
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[Publications] T.Nagasawa: "A new energy inequality and partial regularity for weak solutions of Navier-Stokes equations"J.Math Fluid Mech.. 3(出版予定). (2001)
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[Publications] T.Nagasawa: "A refinement of the energy inequality for the Navier-Stokes equations"Nonlinear Anal.. (出版予定).
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[Publications] N.Shimakura: "Normal coordinate systems from a view point of real analysis"Tohoku Math.J.. 52・4. 533-553 (2000)
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[Publications] W.-M.Ni: "Stability of least energy patterns of the shadow system for an activator-inhibitor model"Japan J.Indust.Appl.Math.. 18・2(出版予定). (2001)
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[Publications] C.-S.Lin: "Method of rotating planes applied to a singularly perturbed Neumann problem"Calc.Var.Partial Differential Equations. (出版予定).
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[Publications] T.Ozawa: "On the coupled system of nonlinear wave equations with different propagation speeds"Evolution Equations : Existence, Regularity and Singularities Banach Center Publications. 52. 181-188 (2000)
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[Publications] H.Kozono: "Bilinear esitimates in BMO and the Navier-Stokes equations"Math.Z.. 235・1. 173-194 (2000)
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[Publications] H,Kozono: "Limiting case of the Sobolev inequality in BMO, with application to the Euler equations"Commun.Math.Phy... 214・1. 191-200 (2000)
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[Publications] H.Kozono: "Asymptotic stability of large solutions with large perturbation to the Navier-Stokes equations"J.Func.Anal.. 176・2. 153-197 (2000)
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[Publications] 佐藤得志: "測度を含む半線型楕円型方程式の正値解について"京都大学数理科学研究所講究録. (出版予定).