2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒルベルトC^*双加群とその離散力学系理論への応用の研究
Project/Area Number |
12640210
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
梶原 毅 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (50169447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
洞 彰人 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (10212200)
中島 惇 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (30032824)
綿谷 安男 九州大学, 数理学研究院, 教授 (00175077)
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Keywords | ヒメベルトC^*-双加群 / 力学系 / 複素力学系 / 可算生成加群 |
Research Abstract |
本年度は、以下のように研究を行った。 1.1次元トーラスの有限和よりなるcorrespondenceから作られるヒルベルトC^*-双加群より作られるC^*環の(I)-free性と(II)-free性について研究した。この研究はHilbert C^*-bimodules and continuous Cuntz-Krieger algebrasとして刊行した。 2.左内積ももつ可算生成ヒルベルトC^*-双加群については、有限型の理論を完成させ投稿した。また有限型でない場合の基底の構成についても議論している。クンツクリーガー型の双加群について、有限型になるための必要十分条件を与えている。 3.有理関数によって与えられる複素力学系から作られるヒルベルトC^*-双加群を、ジュリア集合上に分岐点がある場合も含めて定義した。 4.有理関数によって与えられる複素力学系から作られるC^*-環が、常に単純でかつ純無限になることを、グルポイドなどの理論に頼らず、独自に証明した。また、核型であり、UCTを満たすクラスであることも示した。 5.シルピンスキーギャスケットなどのフラクタルシステムに対して、ヒルベルトC^*-双加群を構成し、K-群の計算を行っている。以前の研究と違って、縮小写像の重複の部分を無視しないので、すべてクンツ環はならず、さらにK-群によって位相的な性質を取り出すことができた。 6.複素力学系のエントロピーと付随するC^*-環のKMS状態の関係について調べた。特にテント写像の場合について研究している。 7.2次関数から決まる区間力学系のカオス的性質を、対応するC*環の性質によって研究した。
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Research Products
(1 results)