2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640241
|
Research Institution | National Astronomical Observatory |
Principal Investigator |
木下 宙 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 教授 (00012857)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 宏 国立天文台, 天文情報公開センター, 助教授 (60155653)
|
Keywords | 太陽系外惑星系 / 平均運動共鳴 / 永年共鳴 / 近点連動 |
Research Abstract |
本年度は最近発見された太陽系外星系GJ876の力学的安定性を中心に研究した。Marcy達はLickとKeck天文台における6年間のドップラー観測より、GJ876が少なくとも2つの惑星をもっていることを見いだした。Marcy達は惑星質量として最小値を仮定し、数値シミュレーションを実行し、この惑星系は2:1平均運動共鳴によって安定であることを示した。 我々は彼らとは異なる初期条件の下で数値シミュレーションを行い、惑星系の安定性を調べた。外側の惑星を近星点におき、内側の惑星の平均近点離角を0度から360度まで変化させて軌道が安定であるものを探した。その結果元期における平均近点離角l_1が-60°<l_1<60°のとき、惑星系は2:1平均運動共鳴状態(臨界引数θ_c=λ_1-2λ_2+ω_1)にあって、相互接近がさけられ安定であることがわかった。このとき両惑星の近星点は独立の運動していて連動していない。 惑星の質量にはsiniの不定性があるので、両惑星が同一平面内にあると仮定して、惑星の質量を1倍から20倍まで変化させて、惑星系の安定性を調べた。惑星質量を2倍したあたりから近星点の連動が起こり、質量が10倍したあたりまで惑星系は平均運動共鳴と近星点の連動によって安定であることがわかった。この近星点の連動現象を半解析的な永年摂動論で説明できた。 2つの惑星の近点の連動は永年共鳴でないことと関連して、一般の惑星系において永年共鳴が起こるかどうか調べた。数値計算の結果によれば惑星間の相互作用があれば永年共鳴は起こらない。小惑星のように惑星質量が他の惑星に比べて無視できるときには小惑星の固有振動と残りの惑星系の固有振動の一つと一致して永年共鳴が起こりうることを示した。
|
-
[Publications] H.Kinoshita, H.Nakai: "Stability of GJ876 Planetary System"Publications of the Astronomical Society of Japan. 53, 4. L25-L26 (2001)
-
[Publications] H.Kinoshita, H.Nakai: "Stability Mechanism of GJ876 Planetary System"Proceedings of the 33rd Symposium on Celest.Mech.. 166-179 (2001)
-
[Publications] H.Kinoshita: "Does a Secular Resonance Take Place for a Planetary System?, 2001"Proceedings of the 33rd Symposium on Celest.Mech.. 158-165 (2002)
-
[Publications] H.Kinoshita, H.Nakai: "Stability Mechanism of Planetary System of upsilon Andromedae"Pro.202 IAU Symp (Planetary System in the Universe). (in press). (2002)
-
[Publications] 中井宏, 木下宙: "近点の運動と惑星軌道の安定性"第33回天体力学研究会集録. 180-188 (2001)
-
[Publications] 中井宏, 木下宙: "upsilon Andromedae惑星系の安定性"第32回天体力学研究会集録. 206-215 (2000)