2001 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化珪素メーザー源を利用した銀河系核円盤部の観測的研究
Project/Area Number |
12640243
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
出口 修至 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20197825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 真 国立天文台, 地球回転研究系, 助手 (50270450)
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Keywords | 一酸化珪素メーザー / 銀河系 / 運動学 / 銀河中心 |
Research Abstract |
本年度は、以下の4つの観測を行った。1.銀河中心核円盤部に存在する大振幅変光星130個についての一酸化珪素メーザーの探査、2.銀河中心近傍数パーセク以内の一酸化珪素メーザー源の深探査。3.これらのメーザー源のVLBA観測。4.銀河面に存在する一酸化珪素メーザー源の赤外線撮像観測。出口は主として、1、2、4の観測とデーターリダクションを行い、三好は3の観測とリダクションを行った。1および2つの観測により、銀河系核円盤部の星の運動に、回転速度の異なる二つの成分のある事が判明した。また、3の近赤外線観測により、いくつかの原始惑星状星雲を発見した。4の観測では、銀河中心付近の一酸化珪素メーザー源とSgr A^*連続波源との相対位置を測定する事が可能である事が示された。さらに、固有運動を検出するために、いくつかの観測を行ったが、アメリカ電波天文台の相関処理に問題の有る事が分かり、さらに改良された相関処理を行うよう依頼中し、再処理されたテープが改めて送られてきた。現在、リダクションの途上である。科研費で購入したラップトップコンピューターを望遠鏡の傍らで用いることにより、観測直後のデーターの質を見極める事が容易にでき助けられた。また、ハワイ大学2.2m望遠鏡での赤外線のため、出口は外国旅費を使用した。アルバイト学生を使い、電波観測データーの制約を行わせたので、謝金を使用した。さらに、データー処理を加速するため、いくつかのソフトウエアその他を買った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nakashima, J., Deguchi, S.: "Detections of SiO and H2O Masers in the Bipolar Nebula IRAS 19320+1950"Publication of Astronomical Society of Japan. 52. L43-L46 (2000)
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[Publications] Deguchi, S. et al.: "SiO Maser Survey of the Southern IRAS Sources"Publication of Astronomical Society of Japan. 53. 305-314 (2001)
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[Publications] Deguchi, S. et al.: "Near-IR Observations of IRAS Sources with SiO Masers at the Inner Galactic Bulge"Publication of Astronomical Society of Japan. 53. 293-304 (2001)
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[Publications] Miyazaki, A., Deguchi, S.et al.: "SiO Maser Survey in the Galactic Center Region with a Multi-Beam Receiver"Publication of Astronomical Society of Japan. 53. 501-507 (2001)
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[Publications] Deguchi, S. et al.: "Observations of SiO Maser Sources within a few kpc from the Galactic Center"Publication of Astronomical Society of Japan. 54・No1(In press). (2001)