2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640245
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
福島 登志夫 国立天文台, 天文情報公開センター, 教授 (70231735)
|
Keywords | 歳差 / 章動 / VLBI / 巨大地震 / 自由コア章動 / 数値的畳み込み / 非回転原点 / 非剛体効果 |
Research Abstract |
昨年度に開発した数値的畳み込み法(Shirai & Fukushima 2000)を用いて、従来より高精度の章動理論の構築を手がけた。まず、剛体地球の場合の解析的章動理論としてRDAN97(Roosebeek & Dehant 1998)を採用し、非剛体効果の地球物理モデルとしてSOS理論(Sasao et al. 1980)に基づく新しい変換関数を求めた。変換関数に含まれる全地球の力学的扁平率、複素ラブ数、自由コア章動の複素周波数など基本的な地球物理パラメータを、超長基線電波干渉計(VLBI)の1979年以降の大量の高精度観測データ(McCarthy2000)から、歳差定数の補正など他の天文学パラメータとともに精度よく求めた(Shirai & Fukushima 2001b)。その過程において、地球の自由コア章動の存在を確認するとともに、減衰振動である自由コア章動が1980-2000の間に4回励起されていることを発見した(Shirai & Fukushima 2001a)。興味深いことに、これらの自由コア章動の励起は、非常に短時間(数十日以下)の間に起こっており、かつ4回の励起のいずれもがマグニチュード8以上の巨大地震の直後に起きていることがわかった(Shirai & Fukushima 2001c)。さらに、得られた非剛体地球章動理論の応用として、経度原点の一般論を展開し(Fukushima 2001a)、その過程において国際天文学連合(IAU)が2003年から導入を予定している「非回転原点」の概念が、大局的非回転と相容れないことを立証した(Fukushima 2001b)。このことは「非回転原点」が大局的座標系の構築に不適当であることを意味し、IAUが予定している導入の科学的意義に疑問を投げかけた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Fukushima, T: "Global Rotation of Non-Rotating Origin"Astronomical J.. 122. 482 (2001)
-
[Publications] Fukushima, T: "Longitude Origins on Moving Equator"J.Geodetic Society Japan. 47. 213 (2001)
-
[Publications] Shirai, T., Fukushima, T.: "Detection of Excitations of Free Core Nutation of the Earth and their Concurrence with Huge Earthquakes"Geophys.Res.Lett.. 28. 3553 (2001)
-
[Publications] Shirai, T., Fukushima, T.: "Construction of New Forced Nutation Theory of Non-Rigid Earth"Astronomical J.. 121. 3270 (2001)
-
[Publications] Shirai, T., Fukushima, T.: "Did Huge Earthquakes excite Free-Core Nutation of the Earth?"J.Geodetic Society Japan. 47. 198 (2001)