2001 Fiscal Year Annual Research Report
種々の宇宙論的観測に対する重力レンズ効果と、それを用いた宇宙論パラメータの設定
Project/Area Number |
12640249
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
二間瀬 敏史 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20209141)
|
Keywords | 重力レンズ / 宇宙定数 / すばる / 宇宙シア / ミンコフスキー関数 |
Research Abstract |
重力レンズには強い重力レンズと弱い重力レンズの2種類があるが、それぞれの現象を用いて宇宙論パラメータにどのような制限が得られるかを理論的および観測的に研究した。特に強い重力レンズ効果を用いた宇宙定数の測定を提案した。この提案は、「すばる」望遠鏡の観測に採用され2001年5月にHST14176+5226と呼ばれるレンズ系を詳しく観測して宇宙定数が正の値をもつことを強く示唆する結果が得られた。他のレンズ系を用いたこの種の観測の提案は来年度も採用されていて、さらに強い制限が得られることが期待される。またこの方法は宇宙定数ばかりでなく真空のエネルギーの時間変化の測定に対しても有効であることを示した。 弱い重力レンズに関しては宇宙の大規模構造によって背景の多数の銀河の形状が組織的にゆがめられる宇宙シアと呼ばれる現象によって、宇宙の平均密度を求める観測が世界のいくつかのグループで行われているが、これまでの方法では平均密度の決定精度はあまりよくないことが知られている。我々は宇宙シアにミンコフスキー関数と呼ばれる方法を始めて適用して従来の方法よりも2O%精度よく平均密度が決定できることを数値計算によって示した。また現実的な非一様宇宙における光の伝播の詳しい振る舞いを、多数の宇宙モデルごとに大規模な数値シミュレーションによって調べた。これによって宇宙論的な観測から宇宙モデルを決める基礎的なデータを得るニとができた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] J.Sato, M.Takeda, Y.Jump, T.Futamase: "Implicatin Ω through morphological analysis of weak lensing"Astrophysial Journal Letters. 551. 5-8 (2001)
-
[Publications] M.Kerscher, T.Buchat, T.Futamase: "On the abundance of collapsed objects"Astrohysical Journal Letters. 558. 75-78 (2001)
-
[Publications] P.Premma, H.Martel, R.Matsuo, T.Futamase: "Hight propagation in in homogeneous universe"Astrophysical Journal Supplement. 135. 7-39 (2001)
-
[Publications] T.Futamase, S.Yoshida: "Possible measurement of Quintessence and density of parameter using strong gravitational lousing enact"Progress of Theoritical Physics. 105. 887-892 (2001)
-
[Publications] Y.Itoh, T.Futamase, H.Asada: "Equation of motion for Relativitic compas Behavior with strong Field patint partical limit"Phsical Review D. 63. 064038-(1-14) (2001)
-
[Publications] S.Yoshida, T.Futamase: "R-mode instability of slowly rotating nonisentropic relativitic star"Physical Review D. 64. 123001-(1-7) (2001)