2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640257
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
細谷 暁夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80028258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎野 克 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50313325)
石原 秀樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (80183739)
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Keywords | ブラックホール / エンタングルメント / 第2法則 / ホーキング放射 |
Research Abstract |
(1)ブラックホールの力学と熱力学の類似を量子情報理論の観点から研究した。 量子エンタングルメント、量子情報及び測定過程間の関係を探るための試みとして、量子情報理論を用いた新しい一般化された第二法則の思考実験を提唱した。まず、実験結果の不確定性を表わす検出器のエントロピーも考慮すると全エントロピーは増加し、通常の熱力学第二法則は成立することを見ている。次に、測定における実験結果に応じて検出器をブラックホールに落下させる思考実験を行なった場合に、ブラックホール外部のエントロピーは落下した検出器の分だけ減少するが、測定に要する仕事を考慮するとブラックホールエントロピーも増加し、一般化された第二法則は成立していることを示した。 この研究は下村氏とカルリーニ氏との同研究であり、その内容は出版予定である。 (2)量子アルゴリズム さらに、量子計算のアルゴリズムのなかのサブルーティンとして、量子力学的な確率アルゴリズムの一例を示した。そこでは、重ね合わせ状態のまま素数性を判定するプログラムを具体的に示し、それをつかった問題として素数定理のデモンストレーションとそれに類する問題のアルゴリズムを与えた。 この研究はカルリーニ氏との共同研究であり、その内容は出版済みである。量子アルゴリズムについては、さらにグローバーのアルゴリズムを任意のエンタグルド状態の場合拡張した。この研究はカルリーニ氏との共同研究であり、その内容は出版予定である。 (3)量子計算とデコヒーレンス 量子計算中におこるデコヒーレンスのモデルとその計算機シミュレーションを示した。 この研究は国内の研究会QIT3で発表。
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Research Products
(1 results)