2001 Fiscal Year Annual Research Report
RHIC-SPINにおけるハドロンの内部構造の研究
Project/Area Number |
12640260
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小池 裕司 新潟大学, 理学部, 助教授 (60262458)
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Keywords | RHIC-SPIN / QCD / ツイスト3 / シングルスピンアシメントリー / ハイペロン偏極 / クォーク・グルーオン相関 / 和則 / セミ・インクルーシヴDIS |
Research Abstract |
RHIC-SPIN及び他の核子ー核子散乱実験におけるスピン観測量に対する断面積の量子色力学に基づいた導出と評価をおこなった。特に、偏極陽子と無偏極陽子の衝突において終状態に大横運動量をもったπ中間子のみを観測するシングルスピンアシンメトリーA_Nと無偏極核子同士の衝突から偏極ハイペロン(特に∧)が生成される際の偏極度P_∧の研究を継続した。いずれも偏極の向きが散乱平面に垂直方向のときにゼロでない値をとり得るが、パートン描像では記述できないハドロン中のクォーク・グルーオン相関を反映する「ツイスト3」観測量として注目されている。QCDに基づいた解析をするとA_Nに対しては(i)入射偏極陽子からツイスト3分布関数が寄与するもの、(ii)標的の無偏極陽子からツイスト3分布関数が寄与するもの、(iii)生成されるパイオンからツイスト3破砕関数が寄与するものの3種の寄与があり、P_∧に対しては(a)入射無偏極核子の一方からツイスト3分布関数が寄与するもの、(b)∧からツイスト3破砕関数が寄与するものの2種の寄与がある。今年度は残されていた(iii)と(b)の解析を行なった。ツイスト3破砕関数を含む項の解析ではツイスト3分布関数を含む項にはなかった新たな問題に直面したが、ほぼ解決しそれぞれ(i)や(a)と同様な寄与をすることが分かった。更に、この手法をセミ・インクルーシヴDISにおけるパイオン生成e+p^↑_⊥→π+X過程にも応用している。 また、新たな問題としてクォークのツイスト3分布関数の完全系g_T(x), h_L(x), e(x)の一次のモーメント∫^1_<-1>dxf(x)(∫=g_T, h_L, e)に関する和則について考察した。特に、クォークを標的とした分布関数への摂動論的1ループ補正を調べたが、h_Lとeには、x=0にδ(x)関数が現れるため、一次のモーメントにこれまで成立すると予想されていた和則がやぶれていることを示した。g_Tについてはそのようなδ(x)関数の寄与は1ループの範囲内ではなかった。この結果は非摂動的にも一般性があることを議論し、論文としてまとめ投稿した。
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Research Products
(1 results)