2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640261
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小竹 悟 信州大学, 理学部, 助教授 (40252051)
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Keywords | 変形Virasoro代数 / Lepowsky-WilsonのZ代数 / プリンシパルグレーディング / 自由場表示 / 変形W代数 / 可解格子模型 / 頂点演算子 |
Research Abstract |
「マッシブな解ける模型(場の理論の模型及び格子模型)の保存量や可解性を保証しているのはどういう対称性か?」という問いに答えるべく、無限次元対称性や可解格子模型などについて研究を行っている。 可解格子模型の典型例として、Lie代数sl_2に基づく模型であるABF模型と8頂点模型の二つがあるが、エネルギー固有値の数え方が前者ではホモジーニアスグレーディング、後者ではプリンシパルグレーディングという違いがある。ホモジーニアスグレーディングのsl_2(及びその量子版、楕円版)については自由場表示が知られており、ABF模型の頂点演算子を自由場表示する際に重要な役割を果たしていた。一方、プリンシパルグレーディングについては、q-変形する以前のsl_2についてさえ一般レベルの自由場表示が知られていなかった。今回これを考察し、うまい自由場表示を得る事が出来た。プリンシパルグレーディングのsl_2のCartan部分を剥した代数はLepowsky-WilsonのZ代数と呼ばれているが、興味深い事にZ代数は変形Virasoro代数の極限として得られる事が分かった。これは逆に言うと、Z代数のq-変形が変形Virasoro代数で与えられるという事であり、今後これを手掛かりにして発展が期待される。実際白石潤一氏により変形Z代数と柏原-三輪模型との関係が指摘され、変形Z代数の表現論を調べた所、状態空間の指標が一致している事がほぼ分かった。sl_2に基づくZ代数と変形Virasoro代数が関係しているならば、sl_N版のZ代数と(A_<N-1>型の)変形W代数とが関係していると期待出来るが、実際そうなっているようである。但し、自由場表示した場合には、Fock空間上の演算子として成立しているのではないので(コホモロジーを取った既約表現空間上で成立していると思われる)、sl_2に比べて多少複雑な状況になっている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Jimbo: "Free Field Construction for the ABF Models in Regime II"Journal of Statistical Physics. 102・3/4. 883-921 (2001)
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[Publications] Y.Hara: "On Lepowsky-Wilson's Z-algebra"Proceedings of the Conference on Infinite-Dimensional Lie Theory and Conformal Field Theory,(CONM series AMS に掲載).